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二階で写真を撮り終えたら、次は一階に、と思ったが一階は本当に気をつけないと危ないな。
階段に向かう際ふと、ステージが目に入る。
あ、あそこなら、写真を撮れるかも。
私は階段をおりそのままステージの方に行き写真を撮り始めた。
しかし、練習はかなりハードなんだなと、それもバスケの知識が普通程度しかない私がわかるほど。
私は普段風景しか好んで撮らないが、こんなに生き生きした人たちを撮るのは楽しいと思ったのは初めてだった。
写真を撮り続けていると休憩に入った、私もそろそろ戻らないとなと、ステージから降り修造兄さんの所に行こうと思ったら、目の前にいる青髪色黒男が私の方を向きピースしている。
『…なんですか』
「写真を撮りに来たんだろ?」
『私が撮りに来たのは部活中の写真なので……あ、修造兄さん』
「いい写真撮れたか?……青峰、お前ちゃんと水分補給はしとけよ」
青峰と呼ばれた青髪色黒男は、返事をし、マネージャーの方に向かっていった。少しだけ目でその姿を追ってからすぐに目の前の彼に視線を戻す。
『まぁ、撮れてるよありがとう』
「…見せてくんねーのか?」
『お楽しみにしといて、んじゃ私部活戻る』
「なんだ、ずっと居るわけじゃねーのか」
邪魔にならない場所に居るとはいえ、少しは気になって邪魔になるでしょと、青峰と呼ばれた彼の方に視線を向ける。修造兄さんは、あー、と頭をかき、お前はそういう奴だったなと、笑った。
そういう奴ってどういうやつなんだ。……とにかく、早く部に戻って写真の選定するか。
『ありがと、今度なにか奢るよ』
「お、マジ?楽しみにしとくわ」
『じゃぁね』
修造兄さんに手を振って、出入口でお邪魔しましたと一言言ってお辞儀をして体育館をあとにした。
__________
「違う!こっちの写真の方がいい!」
「いーやこっちだ!」
『……』
新聞部が珍しく声を荒らげながら言い争いをしているのはわけがあった。
……数分前
新聞部の部室につくと、曽根先輩がお疲れ様!と言ってくれた、他の先輩もおつかれーと言っているが、大半の先輩の顔が死んでいる。原稿に行き詰っているんだろう。
『写真撮ってきました、いっぱい撮ったんで先輩一緒に選んで貰えません?』
「うん!初めてだもんね、いいよいいよ!」
先輩は、パソコンを近くに持ってきて、私にデータを移すように指示した。SDカードを取りだし、パソコンにデータを移した所までは良かったのだ。
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作者名:杜若 | 作成日時:2020年8月20日 20時