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帰り道何故か緑間が着いてきてくれて、横で説教じみた言葉をずっと話している。異性とこうやって並んで歩いて帰るのは本当に久しぶりだ。
『早く帰らなくていいの?』
「む……いい、まだ間に合う」
『そう……ねぇ、緑間クンは、黄瀬クンの事どう思う?選手として』
「……そうだな、実力としてはまぁまぁだな。まだ灰崎の方が上手い。」
そっか…でも、いつか灰崎抜かされるのかな。
灰崎と涼太相性悪そうだし、出会う度喧嘩とかしそうだなぁ……
『黄瀬クンさ、私の幼馴染なんだよ。幼稚園の頃からの……だから、私に依存しがちでさ、大人になったらずっと一緒なんて無理なんだから、どうにか離れたいんだよね』
「……急だな……別にそれ程気にする事ではないのだよ」
『?どうしてそう思ったの』
「アイツは彼女が居るとかどうとかよく言っているのだよ。自然と離れるだろう」
『彼女、そっか、良かった……あーーーなんか、そう聞いちゃうと吹っ切れたわ!』
私が突然大きな声を出したからか驚く素振りを見せた緑間、だって本当に吹っ切れたんだから仕方ないじゃん。
あ、いいこと思いついた。
『緑間クン、あだ名で呼んでいい??』
「変なあだ名じゃなかったらな」
『……んー、じゃあ、真太郎だから、真ちゃん』
すると、何故ちゃん付けなのだよとツッコミが入る。
いやツッコむ所はそこなのかと言いかけるが、まぁ彼らしいと思い別の案をだす。
『じゃあ真クンで、もう異論は認めないから。私のことも好きに呼んでよ、あ、苗字はだめ!』
「なっ……はぁ、お前の都合になぜ俺が巻き込まれるのだよ……Aでいいか」
『まぁ、シンプルだけど……ま、いいか。』
なんか凄い特別感が凄い。
色んな人に名前で呼ばれるけれど、彼に呼ばれると不思議と特別感が湧いてくる。
今まで異性でここまでの友人関係を築けたのは黄瀬クン以外居なかったかもしれない。
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作者名:杜若 | 作成日時:2020年8月20日 20時