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入学して、友人もできた。


これで(涼太)から離れられるだろう。


アイツもアイツで、モデルになって、周囲に女子が居ることが普通になっていた。


これで良かった。


写真関係の部活に所属したかったが、写真部はないと言われ、仕方なく新聞部に所属する事にした。ここでは、生徒が自分達で写真やら文やらを書き、毎月新聞を発行している…のだが。


大半の生徒が幽霊部員で、実質退部扱いになっている人達もいる。


新聞部の部長である、曽根さんから。

「大牟田さんのような優秀な子が入ってよかった」

と言われた。


一年生は初め二年生やら三年生と一緒に新聞の構築を考えたりする、との事なのだが。なんと、なんと。いきなり9月発行分の編集長を任されてしまった。

9月発行分は、8月の夏休み中の事や、9月の行事のことなどをまとめるもので、ほぼ長期休みになる、ということで、あまり書く内容は少ないからまとめやすいし初心者にはオススメだと言われた。

むしろ少ない方が難しいのでは?なんて思ったが、私が書く担当になるまで、他の先輩の手伝いや、使えそうな写真を撮ってくれと、まぁ、自由度が高い部だった。


それは幽霊部員も出てくるよなと、思わず呆れた軽い笑いが出てしまう。


しかし、写真を撮れるからだけでここに入った訳では無い。

その理由とは、フォトコンに参加出来る、ということだ。


個人でやると色々と面倒だし(ほら、申し込みとか参加費とか……)こういう機会は逃したくない。


今後の部活でのことを考えていると自然と浮き足立ってしまう。


先輩の手伝いをして今日の部活は終わり、私は浮かれた気分で下駄箱まで行き校門を抜けようとした。

既に帰っているものかと思った彼の声が聞こえた。


「もー、やっと出てきたっスね」

『え?待ってたの?』


いつも一緒に帰ってたじゃないっスか!と何故か怒っている彼に思わず首かしげる。確かに毎日帰っていた、だがそれは小学生の頃の話なのだ。別に、中学で出来た友達と帰ればいいものを。

ここ数日は、入学してドタバタしてあまり帰る時間が合わなかったからもうこのまま帰ることは無いと思っていたのに、今日は待っていたらしい。


「ほら、もう暗いっスから。ん、」

『街灯あるし、建物の光で明るいから別に手繋がなくてもいいし……いつまで小学生気分なのよ』

「……」

『?なんか言った』

「!いや、何でもないっスよ。とにかく、手!」


ホラ!と繋がれた手は少し冷たかった。

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設定タグ:黒バス , 黄瀬涼太 , 緑間真太郎   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:杜若 | 作成日時:2020年8月20日 20時

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