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『あー、風呂入りたい』
「ダメよ!傷が開いちゃうでしょ!」
頭に包帯を巻いて私は鞄を肩にかけている。
今は、学校に向かうために母の車に乗っている。昨日今日で、一応退院だが、しばらく通院があるとの事。
現在時刻は10時半。
午前中の検診が終わって学校に向かっているという事。
学校に着いたら母が、しばらく着いてくる。すると入口で先生が待っていた、それも芥川先生だった。
「大丈夫か大牟田」
『はいバッチリです。あ、お母さん、この先生が芥川先生』
「……まぁ!貴方が芥川先生なのね!娘から話はよく伺ってますわ。」
「そうなんですね、俺の事そんなに話す事なんてないと思うんですけど」
先生はペコペコと頭を下げている、母は、私がよく話している先生に会えて、機嫌が良いみたいだ。
「娘のわがままも聞いてもらっているみたいで」
「あ、そういえば……カメラどうでしたか?……かなりいっちゃってましたけど」
『ダメ、電源も入らなかったしレンズもお釈迦になってます』
「そうか……なら、コレやるよ。先生のお古だけどな、型式も似てるからお前も扱いやすいだろう。」
先生に手渡されたカメラをみて、思わず目を輝かせてしまう。いいんですかと私が言葉を発す前に母がいいんですか!と言った。うぅん、親子。
「実はそれも心配で、この子結構あのカメラ気に入っていたので……」
『それは、お母さんが初めて買ってくれたカメラだったから。……ありがとう先生。これ有難く使わせてもらいます』
「ん、新聞部の顧問でしかない俺に出来るのはこれだけ。お母様、少しお話してもいいですか?他の者が呼んでまして、大牟田は、」
『教室向かいます。大丈夫です』
なら、気をつけろよと一言くれ、母は、芥川先生について行った。私は母に手を振ってから教室へと向かった。
教室の扉を開き、「すみませーん寝坊しましたー」と冗談を言えばクラス全員がこちらを見て目を見開いて、前に立っている先生でさえチョークを思わず落としてしまっている。
すると勢いよくメイが抱き着いてきた。
「心配した!良かった、」
『…うん、ゴメンって。後、痛いから離そうね。それと授業中だから。』
クラスの皆が笑うと思っていたが、大丈夫?などの声を出す。まぁ、どうせ上辺だけだろうけど。ご心配おかけしましたと皆に礼をした。先生には、もう大丈夫なのか?と聞かれたため、大丈夫と答えておいた。
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作者名:杜若 | 作成日時:2020年8月20日 20時