◇ ページ14
原稿がすらすらと進んでいたと思えばまだ詰まる、時間を見れば全然昼休みの時間はある。仕方がない、久しぶりにこの教室に(勝手に)置かせてもらっている過去に自分が撮った写真を眺めようと、椅子から立ち上がると今日は二度と開かれないと思っていた戸が開かれた。
開いた人物は緑間だった、手には袋と財布?あぁ、購買に行ったのか。でもなんでここに来たんだろ。
「……この時間、既に食堂は多いのだよ。それに、受け付け時間は終わっている」
『……あ、そうなんだ』
彼の発言の意図が掴めずそういう言葉が出てしまった、いや本当に意図が掴めなかった。
緑間は、空いている椅子に腰掛け袋の中をガサガサと触り出す。一人の分にしては少し多いように見える、やっぱり運動部っていっぱい食べるのかと1人で納得していると「いるか」と聞かれた。
思わず数回瞬きをしてしまう。興味本位で近付くと、複数種類があるように見えた。まるでどれを選んでもいいかのように、ま、そんなわけないんだけど。
『あ、これ美味しいやつじゃん。』
「150円なのだよ」
『エッ、金とんの?』
「別にやるとは言っていないからな」
まぁ、そうだけどさと財布を開け、150円を取りだし緑間に手渡した。彼は150円を近くの机に一旦置き、私の手の上にパンを置いた。
私の選んだパンとはメロンパンの中に生クリームが入っているとても美味しいパン。購買は人が多くあまり行かないが、今日はラッキーだ。
『ありがと、これ好きなんだよね。』
フン、と何故か少し偉そうにしている。まぁいいや、自分がさっきまで座っていた席に戻りパンを食べる。甘いものは好きだ、脳の回転が良くなる気がする。
だから私は飴を常備するようにしている、まぁ授業中は流石に食べないけど。
__________________
夢主ちゃんは、行動に対してそれが損になるか得になるか考えて行動するタイプの子です。
性格いいか悪いかって聞かれたら多分悪い方です。
じゃあ何故黄瀬にプレゼント変わりに渡してたりしてたの?
→断って駄々をこねられた方が面倒だと判断したから。(過去に面倒だから断ると駄々をこねられたことがあるため)
175人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:杜若 | 作成日時:2020年8月20日 20時