48ピース ページ23
1時過ぎ、午前中の診察が終わった。
いつもはスタッフの人と一緒に片付けをするのだが、今日は急いで家の方へ戻った。
「太輔〜、おまたせ〜。ご飯食べよう〜」
テーブルにお皿を並べ、部屋の前で声をかける。でも、何の反応もない。
「太輔? 入るよ?」
一言断って中に入る。太輔は義足をはずして、ベッドにころがっていた。
「おまたせ。もうお昼だよ。ご飯食べよ」
太輔の背中に手を入れて、体を起こさせる。そこまでは何の抵抗も反応もしなかったが、渉が義足の方に手を伸ばしたとき、
「……らない」
「え?」
「いらない。そんなもの、いらない」
それだけ言って、ケンケンでリビングの方へ行った。
とりあえず、太輔に合わせようと思い、渉は持ちかけていた義足から手を離して太輔の後を追った。
リビングでは、イスに座りやはりボーッとしている太輔が待っていた。
渉も向かい側に座り、あいさつをして食べ始めると、太輔もゆっくりとだが、食べ始めた。そのことに渉は安心した。
実は、朝太輔はご飯を食べなかったのだ。いくら声をかけても、ちろっと見るくらいで、手を動かそうとしなかった。
「ねぇ、太輔。部屋で何してたの?」
話しかけても帰ってくる言葉はない。それでも渉は話す。
病院でのちょっとだけある、休憩時間の話。患者さんが話してくれた、最近はまった物。
太輔はそれでも、ただもくもくとゆっくりご飯を食べていた。
ラッキーカラー
あずきいろ
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jyanikotopi(プロフ) - アキラさん、やっぱり文才があっててお上手です!!!アキラさん、これからも頑張って下さい! (2013年12月12日 14時) (レス) id: 047559606b (このIDを非表示/違反報告)
たまんちゅ(プロフ) - どんどんとお話が面白い展開になって来ましたね!ガヤさんの心境がどう変わっていくのかがとても楽しみです!更新頑張って下さい! (2013年12月5日 23時) (レス) id: da343c076c (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ(プロフ) - この小説大好きです! (2013年12月5日 21時) (レス) id: b3c86a3db0 (このIDを非表示/違反報告)
たまんちゅ(プロフ) - アキラさん» 良かったです。誰だってそんな時はありますよ!焦らずに、生活して下さいね。 (2013年12月1日 20時) (レス) id: da343c076c (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - たまんちゅさん» 大丈夫です。なんとか、浮上しております。
これ書くことが、気分上がることなんで、お言葉に甘えさせていただいて、自分のペースで頑張ります。 (2013年12月1日 14時) (携帯から) (レス) id: 7983e8516d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アキラ | 作成日時:2013年11月10日 20時