検索窓
今日:18 hit、昨日:6 hit、合計:30,035 hit

佐 藤 く ん . ページ5

「あ、来てたんだ」
「あ、……」






ん??と軽く微笑んで入ってくる佐藤さんに「何でもない、今日からよろしくね」と短く返して日誌を開く。






「よいしょっと、」








カウンター内に置かれたパイプ椅子に、佐藤さんが腰掛ける。見るからに耐久性弱そうなそれは、ギイッと小さい音を立てて体重を支えていた。




「日誌??」
「あ、うん佐藤さんここに名前を……」
「佐藤さんて笑」






新でいいよ、全然。とその中性的な顔が微笑む。いつものやつ、ふわっとしてて優しい砂糖みたいな。甘い笑顔。ちなみにダジャレのつもりは無い。






「え、えっと、さ、佐藤さ……」
「その呼び方辞めなきゃ名前書かない」
「えっ」





推しに先生のお叱りを受けさせるわけにいかないと、頭の中でずっと唱えた名前が往復する。








新しいって漢字1文字で、 "あらた”。







「………あ、」








新くん。









………もう1回否定するけど、恋じゃない。絶対に。私は順序を追ってゆっくり恋を育てるタイプだから、一目惚れとかでは無い。あくまで推し。









それでも、恋愛感情じゃなくても。









大好きな推しの名前を呼ぶのは、こんなに緊張するものなんだろうか。









「…っ、ごめんむり、佐藤、くん……」
「えぇ笑」









まぁいいや、くんになったし。









佐藤くんはそう言いながら日誌に手を伸ばした。

_→←__



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
156人がお気に入り
設定タグ:IMPACTors , 佐藤新 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:氷 雨 | 作成日時:2021年4月24日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。