【五条悟】ブラックスマイル 2

76. 貴方に比べたら ページ43

【五条side】




あれから10日。交流会初日。
今日は悠仁がやっとみんなと合流出来た。



まぁ…サプライズが上手くいったかは内緒。
え、僕のせいって？そうだったかな〜？

まぁ野薔薇も恵も安心して喜んでるし
良かったんじゃないの？


僕としては京都のジジイにサプライズが出来て
満足だしね。


みんなが一旦控え室に戻ろうとした時


釘「あ、Aさーん！！お帰り〜！」


大きなスーツケースを転がして
Aが帰って来た。


野薔薇の声に本人が反応するより早く


歌「…A………？」



そう呟いた歌姫は僕を押しのけて
Aの方に歩き出していた。


そうだ、歌姫は知らないよな。
彼女が戻って来た事。



Aも野薔薇に手を振り返した後
近寄ってくる彼女を確認する。



『歌…姫さん…？』



驚いた顔をしていた。そしてそれはすぐに
苦しそうな表情に変わっていく。


『その傷は…』


歌姫の顔の傷は学生時代、硝子とAと
3人での任務で重傷を負って出来たものだった。

あの時歌姫と硝子が瀕死になった事を
Aはずっと気にしていた。

今なら分かる。
きっと自分のせいだと思い続けて来たのだろう



でも
歌姫も硝子もそんな事は微塵も思っていない。



歌「そんな事はどうでも良いのよ！


何で急に居なくなったの！？
何で戻って来た事言ってくれなかったの！？


私も硝子も…ずっと心配してたのよ……？


良かった、無事で…生きててくれて……

本当に…良かった……」




泣きながら彼女を抱きしめる歌姫。


予期せぬサプライズって感じだね。

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