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73. 誕生日 ページ39

【五条side】




「…助けてって、君が言ったんだよ」


『無視することだって出来たはずでしょう』




うん、出来たよ。

だけど僕がそんな選択するわけがないでしょ。




「君には僕がそんな奴に見えてんの?」


『……ううん、見えない。

だからずっと迷った。
あなたに助けを求める事が正しいのかどうか。


五条くんはいつも私を心配してくれるから』


「……」



彼女は続ける。



『…死んだってどうでも良いような人間ばかりだと思ったから夜の世界で働いてた。

だけど、そんな人たちが
私が居なくなった時に心配してくれていた。

それすらも私は嘘だと思っていた。
今だって完全に彼らを信じてるわけじゃない。

最低でしょ、私。

そういう考えしかできないから
ツケがこうして回ってきただけなのよ。

こんな人間に手を差し伸べる善人なんて
いなくていい。


そう分かっていながら
私はあなたに助けを求めた。

ごめんなさい。本当に自分勝手で』




本当に周りをどうでも良いと思ってる人が
そんな発言をするはずがない。


それに少なくとも



「…僕たちを巻き込みたく無かったから
君は高専を去ったんだろ?

Aは無意識だったのかもしれないけど
他の人よりもずっと僕らの事を大切に
思ってくれてたって事だ。

それが分かって嬉しいよ
君は…自分で思ってるよりずっと優しい人だ」




僕は君のそういう所が好きだ。





『……1月12日』

「?」

『私の本当の誕生日。
覚えていてくれて、ありがとう』




頭で整理できない僕を放って
彼女は前を歩いて行く。



「え、待って?え????

…えぇ????」



振り向いて僕の方を見る彼女は

まるで悪戯っ子のようなこれまた今まで
見た事ないような笑顔を見せてくれた。




「あの…ハグして良い?」

『やめとくね』



君はずっと君のままで、僕はずっと僕のまま。



君を諦める事なんて

君を忘れる事なんて

たとえ何が起こっても不可能なんだろうなと
こんな些細な事でも痛感させられる。

【番外編】悪口しりとり→←72. どうして



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Mona(プロフ) - yunaさん» ありがとうございます!本日更新しました( ; ; )今後ともよろしくお願いします! (2021年6月20日 0時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
yuna - 更新ファイトです、!!! (2021年6月13日 13時) (レス) id: 8dc6dc1d77 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - 小五口さん» コメントありがとうございます!花言葉が素敵だったので決めました(^^)これからもよろしくお願いします! (2021年6月4日 17時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
小五口(プロフ) - え…!!??!?!?1月12日って…私の誕生日だああああ。めちゃくちゃびっくりしましたwこれって名前みたいに入力出来るんですか…?じゃないとしたら凄い偶然!!!!続きも楽しんで読ませて頂きます!! (2021年5月8日 15時) (レス) id: 2e0994d2b5 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - まるまるさん» メッセージ性を重視して書いていたのでそう言って頂けて本当に嬉しいです( ; ; )なかなか更新できず申し訳ありません( ; ; )最後まで応援よろしくお願いします! (2021年5月7日 21時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mona | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st  
作成日時:2020年11月15日 2時

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