【五条悟】ブラックスマイル 2

【番外編】初詣 ページ24

・高専時代・



「さっむ…誰だよ神社並ぼうっつった奴」

夏/家「「オマエだよ」」


2005年12月31日23時57分。


神社では多くの人が列を作っている。
4人も然り。提案したのは五条だった。


家「別に朝でもよかったんじゃないの」

夏「同意」

「この後に及んで文句言うとか無いわー」

「「だからオマエだよ」」


いつもの如く口喧嘩をする3人の隣で
才珠はボーッと遠くを眺めていた。


「どしたのA。ボーッとしてんね」

『…1年が終わるなぁって』


悴んだ手を合わせながら五条を見上げて笑う。


才珠にとって
この3人と過ごした1年は特別だった。

夢のような時間だった。
だからあっという間に終わってしまった。



夏「来年は私たちも2年だな」

家「どーせそんな変わんないっしょ」

「ハッ、俺は変わるよ。
今年こそAの彼氏になる

初詣もお願い事ソレだから」

『…そう』


2人は呆れ、当の本人は適当に流している。


そして鐘が鳴り、新年を迎えた。
すぐに参拝の順番がやってくる。


4人は並んで手を合わせ、それぞれが
新年へ願いを込める。



家「バカは置いといて、夏油何お願いしたの」

夏「まぁ…これからも術師として
誰かのために戦えますように、とかかな」

家「うげ、真面目かよ。じゃあ『Aは？』」



「Aは何お願いしたの？」

五条が言葉を遮って身を乗り出して聞いた。


自分に話を振られるとは思っておらず
少し驚く表情を見せた才珠だったが





『…3人が、これからも仲良く
健康で素敵な1年を過ごせますように、かな』


穏やかに笑ってそう答えた。


「もーホント可愛いんだから！！
手寒くない？俺の手握っとく？」

『やめとくね』


・

・

・



夏「3人…ね」




夏油がそう呟いた事に
家入しか気づいていなかった。



『硝子は？』

五条から逃げるように話を振ってきた才珠に



家「…4人でまた、来年も初詣来たいなって」


本当はもっと違うくだらない事だったが
ちゃんとそう願っておけば良かったと


心のどこかで、家入は引っかかっていた。


『…そうだね』


安心できないその笑顔が、根拠だ。




………


番外編なのに暗くてすみません(笑)

毎年私は夜中並んで参拝するのですが
今年はご時世的に自粛しました。

来年こそは！と意気込んでおります。
どうかよいお年をお迎えください。



2020.12.31 mona

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