【五条悟】ブラックスマイル 2

54. 目撃情報 ページ17

【五条side】



任務終わり。夕方。
野薔薇から電話がかかってきてた。何回も。



「もしもしどした？」

釘「Aさんが連れてかれた！！！

名前覚えてないけどテレビに出てる男よ！
銀座で黒のベンツ！ナンバー見れなかった！」



察しはもうついた。


「…Aは自分から行ったの？」

釘「…私だけタクシーに乗せて逃してくれたわ
だけど…『大丈夫』って顔じゃない」




今、僕も伊地知の車に乗ってる。


あのマンションの場所は分かる。
だけどそこに居るのか？

この人混みの中でフラッと買い物に出かけた
2人を探し出したんだ

多分まだAに何か仕込んでるな
趣味の悪い男だよホント。


「…車止めて」

伊「え！？どうなさいましたか」

「先帰ってて」




車から降りた後

とりあえずAに電話する。



出ないだろうけど、ダメ元で。

そしたらまさかの4コールくらいで出た。



『…もしもし？』

「野薔薇から電話かかってきたよ。今どこ？」

『もうすぐ帰るよ、だから大丈夫』



そう言い残すと切れた。
もう1度かけても繋がらない。



銀座駅の周辺まで来たけど
やっぱりあのマンションにいるのか？？


その時、


「さっき○○社長いたよね！？
女の人と歩いてたけど彼女かな！？」

「あんな堂々と腰に手回してたしそうでしょ！

てかあんなハイスペック男落とす女って
どんな人なんだろねー？」



そんな女の子達の会話。


「ゴメン、それどこで見た？」

「えっ…えっと……有楽町の辺りで…」



やっぱり違う場所だ。



困ったな、分からない。手がかりも無いし。

だけど諦めるわけにもいかない。



その時


「ちょっと良いですか？」


声をかけられた。黒スーツの男数人に。
まともな仕事じゃなさそうだな。それかSP？



「僕急いでるんだけど」

「才珠Aを探しているからですか？」



なるほど。
僕もすっかり監視されてるワケだ。

あのマンションに隠しカメラでも
仕込んでたのかな？

敏感なAが気づかずに俺を家に上げた
ってのは考え難いけど。


「申し訳無いが彼女は我々の社長と結婚する。
邪魔をしないで頂きたい」

「邪魔なのは君たちの方なんだよね」




クレイジーな男に好かれたね、A。

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