【呪術廻戦】ブラッドスマイル

【7.5】クズとクズ《五条悟》 ページ30

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夜。21時を過ぎていた。



校舎の廊下で2人はばったり鉢合わせる。


「あ、Aじゃーん！おっつ〜

今日悠仁達の引率ありがとね〜」


『はーいどーもー』


ご存じの方も多いとは思うが
この女、鍵兎は五条悟の事が嫌いだ。

ギリギリ敬語を保っているレベルで
尊敬など微塵もしていない。

したがって極力喋りたくも無い。
そのまま雑な返事をしてすれ違った時。



鍵兎の目の前に長い腕が差し出された。


そして無理やり肩を組まれ

「…で、誰が仕事してないって？」



さっきより2トーンは低い声。


『怒ってます？』

「いーや、よほど僕の事が嫌いなんだなって
思っただけだよ。

怒ってるのは君の方じゃない？」


『そうですね。

今日のあの子らの任務も
元々アナタが請負ってたんですよね。

特級相当ですよ、アレ』



そう。3人の任務先で現れたのは特級。

どうしようもなくなって虎杖が宿儺を
出そうとした時、鍵兎が助けに行った。



『…もし本当に死んでたら
どうするつもりだったんですか』


「Aがいたからこの任務を投げた。
君ならピンチの時に助けられるからね。

それに、こういう経験が彼らを強くする。
次世代の術師を育てたいんだ」


『そーいう事じゃねーんだよクズ。

テメェの仕事くらいテメェでやれっつってんだ
教育とかしょーもない言い訳すんな』



呪いで誰が殺されようがどうでも良い。

鍵兎にとってそれが適応されるのは
自分が『知らない人』だけだ。


『知らない人』を脅かす世の中の呪いは
五条悟1人だけで祓う事ができる。


じゃあオマエがやれよ。
なんで私が怪我しなきゃいけないんだ。
命を賭けなきゃいけないんだ。

鍵兎はそう思っている。



「……さっきから脚の出血止まってないよ。
硝子のとこ行っておいで」

『…話逸らすなよ』


黒のズボンが張り付くほどに出血している。

特級にやられていた。
3人の前では顔色１つ変えていなかった。
それはきっと心配させたく無いから。



「別に君にそう言われたからって
僕のやり方を変えることは無いけどさ

Aに怪我をさせたのは反省してるよ」



『ンなことは心底どうでも__って

は？アンタ何してんの？？』



軽々と五条は彼女を抱き上げ
医務室へ歩いて行く。家入の元へ。


「先に手当てしよう」

『…待って。まだあの子ら手当受けてるから』

「人の心配の前に自分の心配しろよ」



五条はため息をついて
他の部屋で簡易処置を始めた。

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