【呪術廻戦】ブラッドスマイル

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貴女side



『……』

「……」



虎杖の部屋で、2人で漫画を読んでいる。


『…伏黒って漫画とか興味あったっけ』

「……」

『なんか言ったらー？』

「…案外読んでみると面白いな」

『あーそー。良かったねぇ』


ほんと優しいヤツ。
私のこと心配してくれてんだろうなー。


「…お前がここによくいる理由、分かるよ

虎杖が近くにいる感覚がする」


『…でしょー？

まるですぐ帰ってきそうな感じ』





分かってるんだよ。

伏黒はもう少しこのままでいいって
思ってくれてるんだよね。


だけどそれがダメなことだって
私が1番分かってるんだよ。





ごめん野薔薇、嫌な言い方しか出来なくて。


羨ましいんだ。どんだけ辛くても
前を向いていける野薔薇が。





夕暮れ時。

「…お前最近飯食ってねぇだろ。行くぞ」

『…そんなとこまで…「ここにいた」』



勢いよくドアを開けたのは、野薔薇。



釘「アンタ、私と近接勝負しなさい」


さっきまでグズってた面影は、消えている。
そういう所が凄いんだよね。


『私今から伏黒とご飯行くけど…』

釘「ハァ！？私だけ仲間外れとか無ぇだろ！！
おい伏黒、ちょっと待っとけ！良いな！？」

「…別に俺は何でも良い」



…野薔薇、どうしたんだろう。


『なんで…私と？どうせ野薔薇負けるよ』


釘「…アンタの事嫌いなの。特にそういう所な


いつか絶対ぶっ飛ばしてやるから
相手しろっつってんの。私が勝つまで！！！


今だってアンタの方がよっぽど虎杖
引きずってんじゃねーか…！

そういうとこがムカつくんだよ！！
どーせ1人になったら病んでるんだろーが！！


私にはアンタたちがいるし
アンタには伏黒も私もいるじゃない！！

死んだ虎杖の分まで強くなんなきゃ
話になんないでしょ！！！」




…自分はもう前に進めないから

せめて仲間には進んで欲しかった。




だけど、私の仲間は一筋縄ではいかなくて

どうしても私を引っ張ろうとしてくる。
嫌というほど背中を押してくれるんだ。



『…私は野薔薇のこと好きだけどなぁ』


釘「このタイミングで言われたって
微塵も嬉しくないのよバカ

ほら、とっとと道場行くわよ！！
審判は伏黒！！！」


「なんでそんなテンション高いんだよ」

『うるっさい！やる気に満ち溢れてんのよ！』





前へ、前へ。一歩ずつ進むよ。

呪いが消える、その日まで。




Fin

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