【呪術廻戦】ブラッドスマイル

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釘崎side




「…私、やっぱりアンタ嫌いだわ」

『そういう時もあるよね〜
私は野薔薇の事嫌いじゃないけどね〜』




そう。そういう所が嫌い。


掴み所がなくて、いつも他人事で。
何にも面白くないのにケラケラ笑ってて。

自分が強いくせに、相手ばっか褒めてくる。
何が「凄いねー」だ。ぶっ飛ばすぞ。




私がここまでイラついたのは

『私、野薔薇になりたかったなぁ』と
呟くように言ってきたから。


先週、私と伏黒と虎杖で行った任務で
虎杖が私たちを守る為に死んだ。



『虎杖もね、凄いんだよー』

「…は？」

『誰かを助ける為に一般人から術師になるとか
そうそうできた事じゃないもんねえ。

それにあの程度の強さで君たち守る為に
特級殴ろうとしたんでしょ？

絶対無意味なのに頑張れる力って凄いよ〜』




ムカついた。それを通り越した。


胸ぐらを掴んでいた。大声を出していた。




「…テメェ、アイツは無駄死にだって
言いてぇのか…！？


笑ってねーで何とか言えよ！！！」



『アハハ怒ってる怒ってる。

今の言葉聞いて虎杖が無駄死にだって思うのは
野薔薇が弱いの自覚してるからでしょ〜』


特級だった。

もしコイツが一緒に来てたら
倒せなくても全員助かったかもしれない。


いや、人のせいにするな。

少なくとも…私にはそんな力、無かった。
伏黒に助けて貰わなかったら死んでた。




私が弱い。紛れもない事実だった。



『野薔薇の凄いところはねぇ

あってそこらのタメが死んだだけで
そうやって本気で怒って悲しめる所だよ』



…当然でしょ。


「…アンタだってアイツと仲良かったじゃない

何とも思わないの？」



『思わないよ？だって虎杖が決めた事だもん』




…ほんとムカついて仕方ない。

思い切り突き飛ばした。
話せば話すだけイライラするから。


だけど1番ムカつくのは、私自身。
バカにしてくるアイツに何も言い返せない。
だって事実だから。


私は、弱い。
だから強くならなきゃいけないんだ。

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