【五条悟】ブラックスマイル

27. 勘 ページ29

【伏黒side】




『あまおうは東京でも買えるでしょう？』


五「えーじゃあどうしよっかなー
なんか甘いの無い？」


電話越しの声がこちらまで聞こえて来る。
朝からテンション高いんだよな、あの人は。


『…適当に探して買って来るね』

五「心を込めて五条くんの為に買ってきてね♡

何時くらいに帰ってくる？
僕あいにく今日の夜から出張なんだけど」


『決めてないけど
会えなくてもお土産は他の人に回すし大丈夫』


五「そんな事言われたら
逆に意地でも貰いに行くからね、僕」


『さよなら』



強制的に電話を切って


『やっぱり聞かなきゃ良かった』


と、笑顔で一言。


「釘崎と虎杖からは聞きました」

『そっか、じゃあそれ買いに行こうか』



わざわざ欲しいものを聞いて買って来るとか
優しいよな、この人。



「五条先生には何買うんですか？」

『通りもんで良いんじゃない？定番だし』

「じゃあ釘崎と同じですね」

『そうなの？丁度良かった』



その時、メールが来る。

明日に別の任務が入った。


『任務依頼？』

「はい。1年3人らしいです
伊地知さんが補助監督みたいですね

少年院…か」

『それ本当に大丈夫なの？』


俺のスマホの画面を見て彼女は呟いた。

「どういう事ですか？」

『少年院とかって呪い溜まりやすそうだし

本当に1年3人だけの任務？』


「目撃情報とかから呪霊のレベルは把握して
振り分けてると思うし…大丈夫ですよ」


『そう。でも気をつけて。

何かあればすぐに
最低準一級以上に助けを求めるようにね』


その時、彼女の携帯にもメールが来る。


『…私も明日からまた出張だって。
お互い忙しいけど、頑張ろうね』



この2日間で何となく、あの人が
彼女を好きな理由が分かった気がする。



それに、気づいた。
彼女がこんなにも適当にあしらうのは
五条先生だけだという事に。


あの人、脈無さすぎじゃねえか？

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