嫉妬ってなに ページ17
とあるポムフィオーレ生は困惑していた。
いつも憂いを帯びた儚げな表情をする
一体なにが彼をそうさせたのだろう。確か彼はマカロンが好きだと言っていたな、彼のお眼鏡に叶う代物があったのだろうか。それとも、高貴な彼に相応しい調度品が届いたのだろうか。
そこでふと、エペルが誰かと喋っていることに気付いた。今までその笑顔に意識が向いて、他のことが見えていなかったようだ。
エペルくんの正面に座って話しているのは、黄色いベストを着た線の細い男子生徒。なるほどサバナクロー生か
………………なんだって？
粗暴で美とは正反対のサバナクロー生と話し、そしてあのような笑みを浮かべると？まさか。
確かにあの男子生徒は筋骨隆々ではないが、むしろ不摂生な生活を送っているのだろう、捲った袖から覗く腕は枯れ枝のように細い。
すると2人のもとにサバナクローの先輩と思しき人達が数人訪れた。こちらはテンプレートな見た目だが、男子生徒とは親しげに、というかワシャワシャと頭を撫でている。
___のを、エペルくんが羨ましげに見ていた。
思わずハーブティーを飲もうとした手が止まる。
まさかあの羨望と嫉妬の混じった眼差しは…
なぜキミが笑うのかようやくわかったよ。…相手は正直意外だし、僕ではキミの笑顔を拝めないのは悔しいけれど。
恋は最も人を美しくする魔法と言うから、
エペルくん、キミを応援するよ。
空になった食器を持ち、食堂を後にした。
【一方当人たちは】
「うわぁ…！近くで見ると本当にカッコイイ…！俺も早くああなりたいなぁ」
『エペル、一人称変わってるよォ』
「聞いてるのキミだけだから大丈夫だよ。…多分」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 501人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くろかは | 作成日時：2020年3月24日 15時
