近くて遠い《2》 (ページ38)

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日が経つものは早いもので

毎日悩んでは振り出しに戻り悩んでは振り出しに戻りを繰り返していると

あっという間に、隼人くんの海外転勤まで残り2ヶ月。

私がもし、着いて行くということになれば

引っ越し準備や両親への挨拶も考えるとそろそろはっきりさせないといけない。

でも、イマイチ腹を括る勇気が出ない。

『あー、どうしよ……』

「A……？」

自宅へと歩いてる途中、前から声を掛けられパッと顔を上げると七瀬が立っていた。

『七瀬……』

方向的に、望の家から来たのかな。

『小瀧ん家帰り？』

七瀬「あ、うん。」

『…そっか、気を付けてね』

スタスタと七瀬の横を通り過ぎようとすると、引き止められた。

七瀬「ねぇ、ちょっと時間ある？」

『え？』

七瀬「少し、話さない？」

『……ん、いいよ』

正直今は七瀬たちのことで悩んでる暇もないし

今更何を話せばいいのかも分からなかったけど

何となく断り辛くて、首を縦に振った。

『何か飲む？』

七瀬「じゃあ、レモンティー」

『変わんないんだね、レモンティー好きなの』

七瀬「まぁね、」

近くの公園で話すことになって、ベンチの近くの自販機で飲み物を買った。

『はい、レモンティー』

七瀬「ありがと。

Aも変わらないんだね」

『ん？』

七瀬「ココアが好きなの」

『あ、うんまぁね。笑』

プシュッと蓋を開けて、お互い様子を伺いながら"乾杯"と缶を合わせた。

七瀬「久しぶりだね、こうやって話すの」

『そうだね、』

七瀬「元気にしてた？」

『うん、お陰様で。』

七瀬「そっか。

仕事は？保育士になったの？」

『んーん。ごく普通のOLしてます』

七瀬「そうなんだ…」

『七瀬は？ヘアスタイリストになったの？』

七瀬「うん、なれたよ」

『そっか、凄いね。ずっとなりたいって言ってたもんね』

七瀬「まぁね」

『いつから東京に来てたの？』

七瀬「専門卒業してすぐだから、2.3年になるかな」

『そっか、結構前からこっちに来てたんだ』

七瀬「うん。」

『あれだね！七瀬、昔はコテコテの関西弁だったのに

すっかり標準語じゃん！さては東京に染まったな～？笑

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