近くて遠い《2》 (ページ36)

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その後、自宅まで送ってもらった。

帰りの車の中は、お互い何も喋らず静かな車内だった。

というか、色々考えることが多すぎて喋る余裕がなかった。

西島「ごめんね、遅くまで付き合わせちゃって」

『んーん、送ってくれてありがとう』

ドアを閉めて、見送ろうと待ってると助手席の窓が開く。

西島「ねぇ、」

『どうしたの？』

西島「少しは、期待しててもいいかな？」

『あー……うん……。

ちゃんと考えるから。待ってて欲しい。』

西島「そうだよな。笑

ごめん、急かすこと言っちゃって」

『んーん！

あっ、今日もすごく楽しかった。ありがと。』

西島「よかった。

じゃあ、おやすみ」

『うん、気を付けて帰ってね？

おやすみなさい』

車を見送り、ゆっくりと部屋へ上がった。

家へ着きカバンを放ってボフッとソファーへ座り

預かっておいてって言われた指輪を上着のポケットから取り出し眺める。

『……綺麗』

そっと取り出して薬指にはめてみた。

サイズは指にピッタリ。

いつ私の指のサイズなんて調べたんだろう。

『……結婚かぁ』

ふと、昔のことを思い出す。

学生の頃、望と話した会話。

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『ねぇ、のんちゃんは結婚願望とかある？』

小瀧「なんや急に。笑」

『いいじゃん別に』

小瀧「まぁせんでもええかなぁって感じやけど、子供は欲しいなぁ」

『子供好きだったっけ？』

小瀧「最近仕事でちぃちゃい子と触れ合う機会あってな、あーええなぁって」

『へぇ、なんか意外』

小瀧「Aは結婚願望あるん？」

『そりゃもちろん！女の子だもん、あるでしょ～？

理想のプロポーズもあるんだー！聞きたい？』

小瀧「いや、ええわ」

『なんで！聞いてよ！』

小瀧「やったら、聞きたい？なんて聞かんではよ言え！笑」

『あのね～？両手いっぱいのかすみ草の花束を持って

俺と結婚せえへん？って言われたい！！』

なんて、頭の中では望に言われる事を想像して

きゃー！って勝手に興奮してたら、やかましいわ！って怒られたっけ。

小瀧「てか何でかすみ草なん？普通バラとかちゃうの？」

『かすみ草がいいの！

バラとか向日葵と並んだら脇役に見えるけど

そんなかすみ草が私は好きなんだよね』

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