近くて遠い《2》 (ページ47)

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『あのね、』

小瀧「ん？」

『この間、七瀬に会って少し話したんだ』

小瀧「そうなんや」

『うん。

………小瀧の事ほんとに好きなんだなぁって』

小瀧「……」

『話してて思った。』

小瀧「……」

『小瀧は、今幸せ？』

小瀧「っ……」

『ずっと忘れられなかった七瀬とより戻せて小瀧は幸せ？』

小瀧「………おん、幸せやで」

自分で聞いたくせにちょっと傷ついてる自分がいる。

『そっか。ならいいんだ』

小瀧「……？」

『もう、私の役目はこれで終わり。』

今度こそ、望のことはきっぱり忘れよう。

『もう私が側にいなくても七瀬がいるから』

何で望が悲しそうな顔するかな。

『安心して、私も幸せになれます。』

小瀧「……彼氏、できたん？」

『……うん、まぁね』

小瀧「西島、やったっけ？そいつ？」

『うん。』

小瀧「そう、か」

『私さ………結婚すんの！』

小瀧「はっ？結婚て、おま……」

『お前でも結婚できるんやなって思った？笑』

小瀧「……」

『この間、プロポーズされたんだ。

隼人くん海外転勤が決まってね？

私にもついてきて欲しい、結婚してくださいって』

小瀧「……海外」

『まさか私が一番先にゴールインするとはなぁ？』

小瀧「っ……ほんまにそれでええんか？」

『は？ええに決まっとるやん。笑』

小瀧「無理して言うてるやろ」

『無理なんかしてへんし。

憧れのプロポーズ受けてほんまに幸せやで。』

小瀧「お前はほんまに嘘つくん下手やな」

『嘘ちゃう』

小瀧「無理すんなや」

『無理なんかしてへん、』

小瀧「俺の事誤魔化せる思うてんの？」

『だから嘘なんかついてへんって！』

小瀧「……ほな、なんで泣いてんねん」

『……っ』

なんなんほんまに。

なんで最後の最後まで私を苦しめるん。

おめでとうって

幸せにしてもらい？って

なんで、そう言われへんの？

素直に祝福してくれればそれで良かったのに。

『……もう寝な？体調悪いんだから。』

これ以上いたらダメだ。

『玄関に置いてある私の鍵もらってくね？

私が持ってた小瀧の鍵もそこに置いて行くから。』

これ以上ここにいたくなくて、逃げるように望の部屋を後にした。

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