貴方のために出来ること part.6【名探偵コナン】

261, ページ45

携帯の画面を梓さんの方へ向けて、確認してもらう。携帯を覗き込んだ梓さんは


「この子……！」


「知ってるんですか!?」


「可愛いわね！」


「「「そうだね……」」」


(ははは……すっげー思わせ振りだな……)


梓さんは、俺が手渡した携帯を安室さんの方へ向けつつ声を掛ける。


「安室さんはこの猫ちゃん見たことありますか？」


画面を見た瞬間、少し考えた素振りを見せた安室さん。知ってるのかと思ったが首を傾げて


「誰に探してほしいと頼まれたんですか？」


「「「昴さんです/の兄ちゃんだぜ/お兄さんだよ」」」


「へー……沖矢昴さんですか……。残念ながら僕も見たことないですね」


と否定の言葉。笑顔は張り付けたままだけど、一瞬にして安室さんからの空気が冷たくなった。おっかねー……。


「そうですか……」


「見つかんねぇな……」


「手掛かりないね……」


探してる経緯を順番に話していく光彦達。それを聞いていた安室さんが


「沖矢さんはこの猫ちゃんに愛想を尽かされたんですよ。きっと(ﾆｺ」


と、とても爽やかな笑顔で言い切った安室さん。そんな彼に“どんだけ昴さんのこと嫌いなんだよ……；”と苦笑いを向けるしかない。






──昼食を食べ終えれば、ポアロを出る。次に向かうのは高木刑事のところに決めた。理由は俺と一緒に東都タワーのエレベーターに閉じ込められた時、白猫を見てるからだ。説明もしやすいしな。


高木刑事に連絡してみると外に居るらしいので、待ち合わせして会うことに。


待ち合わせ場所である公園の入り口で待っていれば、待ち人の姿を見つけ片手を上げながら


「高木刑事ー！」


「やあ、みんな。僕に見て欲しいものってなんだい？」


走り寄れば、視線を合わせるようにしゃがんでくれた高木刑事。


.

262,→←260,

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す