貴方のために出来ること part.6【名探偵コナン】

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──30分くらい動かず、思案しているバーボン。


静かに待つとか言ったけど、玄関先で拳銃向けられながら動かずに、じっとしてることに飽きてきた。緊張感？なにそれ？


なので、さっさと終わるように決断させようと思います。


『そろそろ決まりましたか？降谷零さん』


「……は？」


いきなり本名を呼ばれた事によって、取り繕う事すらなく呆けた顔をするバーボン。


『何なら所属先も言いましょうか？』


「なっ!?」


『警察庁警備局警備企画課。通称ゼロの公安警察。だけでなく組織の幹部に私立探偵。トリプルフェイスも大変ですね？毎日のように私に構っていますが、大丈夫なんですか？』


目の前にいるバーボンは、目と口を開き固まってしまっている。“開いた口が塞がらない”という言葉を実践してくれているらしい。わー面白い顔。あはは。


「……い、いつから……知って……？」


『初めてお会いしたときからですね』


「……２年前……」


実際は、秀一が潜入捜査をし始めたときに警察庁にハッキングした時だから、もっと前になるんだけど。


額に手を当てて、しゃがみこむ彼。銃を握る手にも力がなく、拳銃がぶらーんと揺れている。


っていうか、いくら待つことに飽きたからって、発砲されてもおかしくない状況だったわ。あっははー……；


大きなため息を一つ吐き、立ち上がったバーボンはまっすぐ私を見て声を出す。


「Segretoに依頼をお願いします」


先程までバーボンが纏っていた、ピリピリした空気が無くなっている。彼の目を見れば、曇り１つない青色。


『ふふ、はい。待ちくたびれました(ﾆｺ』


調べる相手の名前を聞き、彼が必要な情報を聞く。


「報酬は正規の値段で良いですか？」


『いいえ』


首を振って否定する。目を見開いた彼は、すぐに気持ちを切り替えたようで真剣な表情に。


「ならいくら支払えば？」


『私が貴方に提示する報酬は……』


「…………」


『美味しいハムサンドと紅茶のセットです』


「……は？」


だか私の言葉で、呆けたような間抜けな表情に変わった。そんな顔のバーボンはレアだ。今日だけで大分見たので、これだけでも報酬になるかもしれないけど、私は美味しいご飯が食べたい。


『あれ？高いですかね？』


「ｸｽｯ。いいえ、わかりました。腕を奮って作りますね？(ﾆｺ」


『えぇ、楽しみにしています(ﾆｺ』


これで交渉成立。ではでは、久しぶりに情報屋-Segreto-として働きますか！


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