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『だよねー……』
「なにお前、呪具ダメにしたのかよ?」
『そうなんだよー……』
「ということは、Aの任務は誰か代わりに?」
『いんや。呪霊は祓ったから大丈夫。その代わりに呪具は再起不能。修繕不能。ゴミ箱へぽーい!になった』
「それで鉄拳」
『うん……』
さすがに六回目なのは伏せたけど、壊したことだけ伝えた。
一級呪霊が相手だったからとは言え、使用していたのは二級呪具だ。そうそう壊れるものじゃないと思うんだけど……。防御力だけ特級クラスだったのかしら?
日輪刀が無い今、いっそのこと補助監督でもやっていた方が良い様な気がしてくるが、借金が嵩みすぎて、補助監督が貰うお給料では完済まで相当の年数を要する。
それならまだ準一級として、呪霊退治していた方がお給金が良いのよ。でも任務に付く度、呪具をぶっ壊してばかりいれば借金が増える増える。さすがに笑えない。
何か良い方法はないだろうか?って頭を悩ませていたら、一個思い付いた。近接だと呼吸を使って壊しちゃうんだから、遠距離から狙えば良いのだと。
『銃型の呪具ってあるじゃん。あれは弾に呪力を流し込んで使うんだよね?』
「そうだよ」
『じゃあそれを』
「止めとけ」
私の言葉を遮ったのは悟くん。硝子ちゃんへと向けていた顔を悟くんへ向け『なんで?』と問い掛ける。
「お前、呪力自体少ねぇんだから、二、三発で動けなくなるぞ。籠める量を間違えれば一発でダウンだ」
と言われてしまった。
そういや交流会の時に、御札一発分でダウンしたわ。ということを思い出し『良い案だと思ったのに……』って、しょんぼり肩を落とす。テーブルへ腕を投げ出して項垂れていれば
「それなら事前に銃弾へ呪力を籠めて置けば良いんだよ。籠めてあげようか?」
傑くんからの提案に『出来るの!?』って、がばちょっ!と体を起こす。
「出来るよ。媒体さえあればね」
『貰ってくる!!』
勢いよく立ち上がり、教室から廊下へ出て『夜蛾せんせーーーーっ!!!!』って校舎全体に響いているのではないかと思われる程の声を上げて駆け抜けた。
二十分程で教室へと戻れば、
「ぶふっ!」
「また見事な……」
「もう治さないぞ」
「クク、……アハハハハッ!!」
『笑うなーっ!そこーーっ!!』
治して貰ったばかりなのに、タンコブをこさえて戻ってきたからか、苦笑を漏らす傑くんと、呆れ顔の硝子ちゃん。それと大口開けて笑い出した悟くん。
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雪丗(プロフ) - 有紀さん» 有紀様、いつもお読み頂いてありがとうございます(*^^*)相変わらずの遅筆で申し訳ないです(>_<)またチマチマと書き進めて行きますので、更新再開した際にはよろしくお願い致しますm(__)m (2021年12月19日 23時) (レス) id: a83da031ca (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - いつも更新楽しみにしていました(*´꒳`*)続きがとっても気になりますが、過去作品読み返しながら待ってますね!これからも頑張ってください╰(*´︶`*)╯♡ (2021年12月19日 20時) (レス) @page48 id: 6e9316e3b7 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 寝子さん» 寝子様、いつもありがとうございます!励みになっております(*^^*)これからも今作品共々、よろしくお願い致しますm(__)m (2021年10月9日 10時) (レス) id: a83da031ca (このIDを非表示/違反報告)
寝子(プロフ) - 続編移行おめでとうございます。いつも楽しみにしています。これからもがんばってください!(≧▽≦) (2021年10月8日 23時) (レス) id: 031b8fe371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2021年10月8日 10時