今、やれることをやる 二【呪術廻戦】

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本能のままに歩いているが、橋の中央付近でふと思い止まった。何故かと言うと

『みぃ……？(ここ渡ったら帰るの大変なんじゃ……？)』

ということから。

帰り道を脳内に思い浮かべて振り返り、あとも〜ちょっと散歩したいなぁ〜という気持ちから、まだ見ぬ橋の先の風景へと心を持っていかれ前に顔を戻す。でも帰り道の長さに振り返る。でもでも前も気になる。

振り返って、正面へと戻し。振り返って戻して。振り返り戻し。後、前。後、前……。──と何回か同じ行動を繰り返していれば、

「何か気になることでもあるのかな？飼い主さんを探してるとか？」

近くから聞こえた女性の声に顔を横へと向けると、私へ優し気に笑んでいるお姉さんがいた。

『(……お姉さん、いつの間にそこにいたの？私に気配を察せらせないなんて……、実はすごい実力者だったり！？)』

なんて思ってみるが、道路側からではなく川側の方から背後へ顔を動かしていたから見えてなかっただけだ。一つのことに夢中になってると周りが見えなくなるところは私の短所ですな。

話しかけてきたお姉さんへ、体を正面へと向けて『みゃう』って返事をする。伝わらないだろうけど。

「迷子かな？」
『みゃぁ……、みぅ。みぃ？(総じて言えば迷子かもだけど……、今は帰るところあるから。迷子ではないかも？)』
「飼い主さんはどこにいるの？」
『み、みぅみぅ。みゃ(秀一、お出掛けしてなかったら工藤邸にいるよ。シェリーの警護を兼ねてね)』
「飼い主さんは好き？」
『みゃあ〜♪(大好き〜♪)』

そっか！そっかー！って、にこやかな笑みを浮かべながら私の頭を優しく撫でるお姉さん。

このお姉さん、私の言葉理解してる！？伝わってる！？初対面でこんなに会話が出来る人なんて初めてだよ！すっげぇー！！

内心でめっちゃ感動。そんな気持ちから、お姉さんへ向け

『みゃ〜、みぅ〜。みぃ？？(もしかして〜、もしかすると〜。お姉さん猫と会話出来るお人ですか？？)』

って今度は私から質問を掛けてみる。ニッコリ笑顔のまま口を開いたお姉さん。一声を発しようと言うところで「母さん、何やってるの？」って横から割って入ってきた声。

お姉さんと一緒に声の主へと顔を向ければ、高校生くらいに見える男の子だった。その子に「順平、お帰り。面白い映画(モノ)観れた？」とお姉さん、が……って、


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