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出来た料理を皿に盛り付け、テーブルへ運ぶ。食べる準備が出来たので彼に声を掛ける。
『バーボン、ご飯ですよ』
「え……?僕の分もあるんですか?」
吃驚したように顔をあげ、私を見てきた。
『食べないのなら、帰ってもらっt「食べます!」じゃあ手を洗ってきてください』
私の言葉を聞いて洗面所に駆けていくバーボンと、戻ってくるのをイスに座って待つ私。戻ってきた彼は、テーブルの上を見て声を漏らした。
「……豪華ですね」
『久し振りにやる気になりました』
いただきますと手を合わせて箸をつける。ロールキャベツを一口大にして、ふーふーと冷ましてから口にいれる。うん。我ながら良い出来。自画自賛して良いレベル。彼からも美味しいとお褒めの言葉を頂いた。
『それで何かあったんですか?』
「……貴女が……」
『私?』
なんかしたっけ?と首を傾げる。
「……覚えてないんですか?」
『え?』
バーボンに何かしたっけ?と記憶を探るがまったく思い当たらない。やられたことは思い出すんだけど……。んー?と頭を捻るが思い出さないので、聞いてみることに。
『私何かしましたか?』
「本当に覚えてないんですね……(ムスッ」
そんなむすったれた顔されても、覚えてないものは覚えてないよ。困ったように笑うと、彼からため息が。すまんねぇ、覚えてなくて。
「……貴女が」
『私が?』
「……嫌い……って言った……(ボソ」
バーボンの言葉を聞いて、そーいえばそんなこと言ったなぁと思い出す。
すばる探しをして、真純ちゃんに会って、シェリーの動画騒動に、秀一を見つけたなど。いろいろあってすっかり忘れてた。
『それでキノk「繁殖してません!」……沈んでたんですか?』
「……好意を持ってる相手に“嫌い”と言われて、気落ちしない人はいません……」
……確かに私も秀一に睨まれた時、しばらく立ち直れる自信なかった。もし秀一に“嫌い”何て言われたら…………。想像するだけで涙が……(ホロリ
『……ごめんなさい、言い過ぎました(シュン』
「……僕の方こそ、貴女の傷を抉るような事をしてしまってすみません」
二人揃って頭を下げる。顔をあげて目が合うと、今回はお互い様ってことで仲直り。
それからは他愛ない話をしつつ、夕食を食べた。
翌日。
途中からシェリーがどうなったか確認を忘れてしまった為、彼女の安否確認をしに行ったのは別のお話____。
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雪丗(プロフ) - ベルモットさん» 本当のところ??ベルモットが感じ取った通り、彼女が思い描いたのは愛しい人の姿です。なので慈愛に満ちた目という表現は間違ってないかと思います。 (2019年6月19日 10時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - そうですか。解りました。夢主人公は慈愛とベルモットは言ってましたが、本当のところはどうですか? (2019年6月19日 0時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - ベルモットさん» 夢主とジンの関係は仕事仲間です。肉体関係には至らないでしょう。夢主がジンと致す理由がありませんし、逆にジンが彼女を襲おうものなら返り討ちにあい、彼の人生はそこで終了という未来しか見えないので書けません。 (2019年6月17日 23時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 夢小説読みました。夢主人公が黒の組織絡みで結構タイプでした。夢主人公とジンの関係や肉体関係も良かったら見たいです。 (2019年6月17日 17時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 柚月さん» コメントありがとうございます。これからどうなっていくのかはネタバレになるので言えませんが、続きを待っていてくださる読者様が楽しんで読んで頂けるよう、最善を尽くしていきたいと思います。 (2018年5月17日 0時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年5月12日 18時