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フィリアの視線に気付いたカエルゴは、ほんの一瞬だけ彼女へ視線を向けた。どこか嫌そうな目を。だが視線が合ったことに、声は上げないが全身で歓喜する彼女。それに気付き、瞬時に身を翻したカエルゴは
「故に。出来の悪いものは即刻退学処分とするので、そのつもりで」
と離れた。だが退学処分という言葉に生徒達はざわめく。「退……！？」と声を上げた生徒の言葉を遮るように、「粛に」という言葉と、教卓へカァン！と音を鳴らして教材を立てたカエルゴ。
〈簡単！使い魔召喚講座〜！
いち、羊皮紙に血で丸を書く〜
に、魔方陣の中へ〜
さん、羊皮紙を中央のロウソクヘくべる〜
よん、煙が形を成し、使い魔に〜！〉
と明るい声が空間に広がった。分かりやすい映像と可愛らしい音声付きの、ファンシーな見た目の教材から発せられているのだ。そして
〈さぁ！皆もレッツ〉──バァン！
最後の言葉が終わる前に、カルエゴに叩きつけられる教材だった。相当嫌いなのだろう。この教材が。確かにカルエゴが持つには、似合わないほど可愛らしいもの。
「概要は以上だ」
『(ふふふ。可愛らしい教材を使う先生も、それを使って不機嫌になる先生も素敵♡)』
……分かったとは思うが、フィリアの想い人とはナベリウス・カルエゴのこと。フィリアはカルエゴへ強い好意を寄せていて、カルエゴがフィリアを残念美人と言わせる要因である。
「羊皮紙は私の印が入ったものを使うように。不正があればすぐ分かるからな……」
じろぉ〜と入間へ疑わしい視線を向けるカルエゴ。それを見て、ぷぅ……と僅かに頬を膨らますフィリア。
『(入間さんだけズルい……)』
と内心で嫉妬の言葉を思い浮かべていた。そんな中、一人の生徒が「危険はないんですか？」と挙手をしてカルエゴへ質問を投げ
「愚問だ。使い魔の召喚は�猯貘芦椎修兵鐶欧鮓討喀个兄般鬚垢覘瓠�もし使い魔が主人に歯向かえば」
生徒の問いに回答しつつ、先程叩きつけたファンシーな教材を持ち直して立て掛けたかと思えば──バチィン！と教材から火花が散ち、晴れれば教材の一部が破壊され、カルエゴの指が貫通していた。
「処罰(しつけ)が下る。それ程までに濃い血の契約なのだ」
数人の生徒からは「おお……」と感嘆な声が漏れ、フィリアの内心は大騒ぎ。それはもう五月蝿いくらいに。
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雪丗(プロフ) - ちこりぃさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けますと、この作品も報われます(*^^*) (2021年7月20日 10時) (
レス) id: fa8523d4cc (このIDを非表示/違反報告)
ちこりぃ - …いや普通におもろいですやん (2021年7月19日 23時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪丗
| 作成日時：2020年8月6日 21時
