14. ページ15
急かされた入間はカルエゴの下半身へと走り、下へ引っ張った。だが「ぐぅおあああ!ちぎれるちぎれるっ!!」と痛みに雄叫びが上がった。
「馬鹿モノッ!!こういう時は押すものだッ!!」
「す、すいません!!」
急いで足を押し上げようとする入間に、はっ!と気付き『入間さん!待っ!』と止めるフィリアの声と、カルエゴの大声が響い
「違うッ!!足ではなく!こちらへ来て私を下へ押……」
……たのだが、時既に遅し。入間がカルエゴの足を押し上げた結果、魔方陣から体全体が飛び出る。
「しまっ」
ボフンッ!と魔方陣上に広がる煙。晴れたそこにいたのは──灰色でふわふわした体毛に蝙蝠のような羽の生えた……分かりやすくいうと、ヒヨコが飛んでいた。
顔を見合わさる入間とカルエゴ。カルエゴは自身の小さな両手を見て、ふわふわの体毛に包まれた体を触り……フッと力が抜けたように落下。
「先生ーーーっ!?せ、先生!大丈夫ですか!?というか先生なんですかっ!?」
「……バカな、こんな……こんな……」
現実を受け入れられないカルエゴと、困惑する入間。そこに近寄るのはアスモデウスとフィリアで。「い、入間様」と声を掛けたアスモデウスに振り向いた入間は助けを求めようと
「あっアズ君!大変なことに……」
「感服致しましたっ!!」
したが、歓喜の声を上げ涙を流すアスモデウスに「何がっ!?」と余計に混乱することに。
「まさかカルエゴ卿を使い魔にしてしまわれるとは……っ」
と跪きながら続けて言ったアスモデウスの言葉で、周りの生徒達から感嘆な声が上がる。
「やはり内心ではカルエゴ卿の態度にお怒りだったのですね!素晴らしい見せしめです!!」
「ちがうちがうちがう!!」
騒がしい中、一人カルエゴの側へ寄り『先生……?大丈夫ですか……?』と、もふもふの体を優しく撫でるフィリア。だが内心では
『(かっ!可愛い……っ!普段の先生は威厳に満ちてカッコいいけど!ふわもふの体!愛くるしい見た目!これはこれで良いっ!!)』
とても楽しそうである。
10人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪丗(プロフ) - ちこりぃさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けますと、この作品も報われます(*^^*) (2021年7月20日 10時) (レス) id: fa8523d4cc (このIDを非表示/違反報告)
ちこりぃ - …いや普通におもろいですやん (2021年7月19日 23時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪丗 | 作成日時:2020年8月6日 21時