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「しかし入間様がこれから召喚する魔獣に比べれば……」
「それは……どうだろうか……」
そんなやり取りをしている二人へ近付き『さすがアズさんですね』とフィリアが声を掛けたのだが
「嫌味か……？」
と彼女へ怪訝な目を向ける。どうしてそうなるんですか……という言葉は抑え『いいえ。本心です』と苦笑混じりに言葉を返した。
「……貴様もなかなかやるではないか」
ちらっと女郎蜘蛛へ視線を向けたあと、顔を逸らしながら言ったアスモデウスの言葉に、驚き目を見開くフィリア。驚き過ぎた彼女は『……血の雨でも降らすつもりですか？』と警戒し、アスモデウスから距離を取る。
「おい！なんだその態度は！」
『いやいや、先程まで敵対心丸出しだったではないですか。なのにいきなりそんなことを言われたら、警戒の一つもしますよ』
「人がせっかくっ……」
「まぁまぁ！二人とも！！」
アスモデウスとフィリアに挟まれた入間が可哀想でならない。
使い魔召喚の最後を締め括るのは入間である。魔方陣の中央に立ち、動かずにいる入間。何やら考えていたかと思えば、頬を緩めて「ふふふ」と笑い出した。
その様子に生徒から「笑ってる」「余裕なんだ……」と声が飛び交い、アスモデウスからは「さすが入間様！」と喜色の籠った声が飛ぶ。
『何が召喚されるのでしょうか？』
「入間様のことだ！我々の想像を越えた魔獣を召喚するに違いない！」
『例えば？』
「ふむ。そうだな……」
と入間を眺めながら予想を繰り広げる二人。入間に注目しているのは生徒だけではない。カルエゴも入間へ注目している。教師として、というのもあるが個人的なことも含まれていた。
「(ヘラヘラしおって、奴にそっくりだ！！)」
という風にイライラを募らせている。せっかくなのでカルエゴの苦手なタイプを紹介しておこう。
１、喧しい
２、無節操
３、マイペース
だ。カルエゴのいう�狹朖瓩箸詫�事長のことである。理事長は、ミスター適当の称号がとても似合う御方なのだ。
「(今までどれだけ奴に振り回されてきたことかっ……。気紛れで給料を減らす！自作の説明セットを押し付ける！入学式のプログラムも滅茶苦茶にしおって……！！)」
……災難でならない。だが魔界は弱肉強食の世界だ。カルエゴは耐えるしかない。
「(だがこの行事の権限者は私……！少しでもヘマをしたら、貴様の自慢な孫を即退学にしてやるわっ！)」
それはただの八つ当たりである。
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雪丗(プロフ) - ちこりぃさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けますと、この作品も報われます(*^^*) (2021年7月20日 10時) (
レス) id: fa8523d4cc (このIDを非表示/違反報告)
ちこりぃ - …いや普通におもろいですやん (2021年7月19日 23時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪丗
| 作成日時：2020年8月6日 21時
