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黒い羽を広げて悠々と空を飛ぶフィリア。現在悪魔学校バビルスへと向かっている最中だ。
『あ。見えてきた』
彼女の飛んでいる位置からでは、まだ遠方と言える程遠くにある学校。だが楽しげにフィリアは口角を上げていた。
本日の予定は入学式のみなのだが、初めて通う学校に心を踊らせている様子。バビルスを卒業するまでの6年の間で
『絶対、絶対に！あの人のお嫁さんの地位を獲得してやるっ！……最低ラインは妾(めかけ)っ！』
目当ての殿方を物にしようという野望を胸にバビルスへ通うようだ。
……大抵の悪魔は野望と言うものを持っている。それは分かっているのだが……野望というより欲望だ。それは……。
──こちらが呆れている間に学校へと到着したフィリアは、門前へと降り立ち羽を仕舞った。
高く聳え立つ門を前にし、胸に片手を置き目を瞑って繰り越し深呼吸。緊張している様子が見てとれる。
そんなフィリアの横をたくさんの生徒が通り過ぎ、門を抜けていく。彼女と同じ新入生なのか、身に付けている制服は真新しい者達ばかりだ。
バビルスには専用の制服がある。
女子はピンクを基調としたセーラー服。
男子は青を基調とした学生服。
生徒によっては着崩していたり、制服の加工も可能なこともあり、各々のオリジナルに改変している者もいる。
門前にも、全体的に黒を基調とした制服を着た４人の悪魔が並んでいた。そして通る生徒へ挨拶の言葉を掛けている。
「おはよう！」
「みんな、おはよう！」
と。フィリアは歩を進めて門を潜りながら『おはようございます』と挨拶を返す。
「おはよう。新入生は講堂へ行ってくれ」
「講堂はこの道だ」
示された方向へ顔を向け確認したあと『ありがとうございます』と感謝を口にし講堂へと向かって行った。
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雪丗(プロフ) - ちこりぃさん» ありがとうございます(^^)そう言って頂けますと、この作品も報われます(*^^*) (2021年7月20日 10時) (
レス) id: fa8523d4cc (このIDを非表示/違反報告)
ちこりぃ - …いや普通におもろいですやん (2021年7月19日 23時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪丗
| 作成日時：2020年8月6日 21時
