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『こっちが本当の姿なんだけどさー。事情があって、あんな面倒な制限を付けてるんだよー……。僕、可哀想……。君もそう思わない？』
「そ……、そうです、ね……」
『だよねー』
Aの言葉に肯定を返すが、キッドの頭の中では“この場を切り抜けるには、どうしたらいいか？”ということだけ。だがキッドが彼女に敵う訳もない。本人もそれは分かっている。だから
「……逃がして頂けませんか？」
『いいよー』
「ですよね……ダメ……え？いいの？」
『いいよ』
「えぇ……？」
『前にも言ったけど、僕は正義の味方じゃない。だから月の涙を返してくれるなら、僕は君に何もしないよ』
何もしないというAに、キッドは疑心の目を向ける。そんな目を受けようと、ニマニマと口角を上げながらキッドを見ている彼女は
『それに君を捕まえるのは少年の仕事だからー。僕はそれを遠くから見てることにしてんだー。高みの見物ってやつだねー。にゃははは』
虚偽の言葉か、それとも本心なのか、それが分からないキッド。だが彼女の言葉を信じる他、道もない。観念したように両手を上げて肩を竦める。
「……わかりました。この宝石はお返ししましょう。ただ貴女はとても素早いので、私が窓から飛び発った後に宝石の回収をしてもらえますか？」
『いいよ。それで。でも持って帰ろうものなら、これで落として上げるからねー』
どっから取り出したのか分からないが、彼女の手には金色の火かき棒。客間に備え付けられていた暖炉。それに付属していた物を掻っ払ってきたらしい。
怪盗キッドのハングライダーを、引き裂く気満々の様子。そんなことをされてしまえば、空中に投げ出され、為すすべなく墜落するしかない。そんな想像が頭に過ったキッドは顔面蒼白で「絶対にやりません！」と声高々に誓う。
白いマントを翻して窓へと近付くキッド。それを目で追いかけるA。キッドは月の涙を、月へと翳し、ほっと安堵の息を吐いた。彼の求めるパンドラではなかったため、命拾いしたようだ。
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雪丗(プロフ) - 恵未さん» 数ある作品の中から一番に選んで頂き、ありがとうございます！(≧▽≦)「楽しんでます！」というお言葉を拝見すると、頑張らないと！とヤル気が漲ります！p(^^)q更新ペースは遅いですが、着実に進めていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いしますm(__)m (2020年3月12日 23時) (
レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
恵未(プロフ) - いつも楽しく読まさせていただいています。私この小説コナンの夢小説で一番好きなんです！これからも楽しみにしてます！ (2020年3月12日 20時) (レス) id: d0f8b56ca8 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 架印�靴気�» 度々教えて頂き、ありがとうございました(^^) (2020年3月6日 11時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 架印�靴気�» あら？造語だったんですね…(^^; 作者が無知なだけなので、架印�畦佑�気になさることではありませんよ(^^)揚げ足をとる会話しりとりで“しりあげあしとり”。考えられてますねー！こういうのを知ると、原作者様はやはり凄いなー！と痛感致します。 (2020年3月6日 11時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 誤解させてしまったようでスミマセン。 (2020年3月5日 21時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪丗
| 作成日時：2019年11月4日 0時
