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それから三日間。ガランの工房へ食事を運ぶということを繰り返した。けれど、この状態をいつまでも続けるわけにはいかない、無理矢理止めるべきでなのでは……？と思ってしまう。明日の朝食も変わらないようなら、実力行使も辞さない覚悟でおこう。と心に決める。
決意した翌日の朝食に、ガランが仕事を終えたのか顔を出した。ほっと息を吐きつつ、朝の挨拶をしながら近付いて行く。
『おはようございます。ガラン、お仕事お疲れ様です』
「おはようさ、ん？」
ぷくっと頬を膨らませた私を見たガランは、挨拶もそこそこに不思議そうな表情を浮かべた。なので
『私が時間を忘れてお役目してる時は怒るのに、自分を蔑ろにするのは良くないことだと思います……』
と訴える。苦笑を漏らしながら椅子の上に立ち、背伸びをしつつ片手を上へと伸ばしたガラン。
「すまんな……。Aが食事を運んでくれていたと、アイツに聞いた。ありがとな」
私の頭の上に乗った小さいけれど硬い手は、ゆっくりと動く。ゴツゴツと硬い職人の手。でも優しい手つき。それに寝不足だとわかるほどの隈が目元に浮かんでいるけれど、穏やかな表情をしているガランを見れば何も言えなくなる。そんな私に気付いたのか
「あんた！食うもん食って風呂入ったら、さっさと寝な！」
とバレッタからの言葉。それに続くのは私。
『そうです！今日はゆっくり休んでください！』
「そうさせてもらうが、その前に……」
まだ何かやるのですか？早く食べて寝た方が良いと思います……と内心で訴える。けれど「直ぐに済む」と椅子から飛び降りたガランは、工房へと向かっていった。
ほんの数分で戻ってきたガランの手には、一振りの剣が握られていた。それを眉を寄せながら、ゼオンへと差し出し
「……本当は持たせたくないのだがな」
「それは何度も聞いた。だが必要な物だとも言っただろう」
そんな二人のやり手りに嫌な予感を感じつつ眺める。ゼオンの手に渡った剣は華美な装飾は無く、彼が腰に挿している物より細くて短い。
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作者名：雪丗
| 作成日時：2019年7月11日 0時
