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「うわぁっ!?な、ななななっ!?///」
探偵君は叫ぶと同時に距離を取った。赤く染まった自分の頬を抑えながら私を見て、何かを訴えようとしてるが要領を得ない。私?私はしょぼーんと肩を落としてる。
いきなり上げた探偵君の叫びで、バーボンたちは一斉にこっちを向いた。けど状況を理解できてない。「コナンくん?どうかした?」とバーボンが訪ねてるし。
「なっなっ何すんの!?いきなり!?」
『……貴方のもっちり頬っぺた食べれるのではないかと思って……』
「そんなわけないでしょ!!」
うん。分かったと思うけど、空腹過ぎて探偵君の頬っぺたに噛みついてみたんだ。残念ながら食べれなかったけど……。だってさー。この子の頬っぺたって、本当に食べれそうなんだよ。噛み付きたくもなる。
バーボンの問い掛けに答えることの無かった探偵君。おそらくバーボンの問いは、耳に入らなかったんだな。だって真っ赤な顔のまま声を上げて「もうやらないで!!」って訴えてくるから。
探偵君のその様子は本気で怒っているように見え、私はしょぼーん……と余計に肩を落とす。それと一緒に視線と顔も床へと下げていれば、ぬぅ……と現れたのは黒い腕。もう誰のものかなんてすぐ分かる。顔を上げれば、正面にはにっこり笑顔のバーボン。
『……何ですか』
「Aさん、空腹過ぎて口寂しいんですね。僕の腕で良かったら、どんどん噛んでくれていいですよ」
私と探偵君の言葉のやり取りで、何があったのか察したらしく的確なことを言ってくる。ただ
「何言ってんの……(ジト」
「頭おかしいだろ……(ジト」
松田さんと萩原さんから、素晴らしい程のジト目を貰ってるバーボン。だがそんなのはダメージにならないのか、笑顔が絶えることがない。しかも二人の言葉スルーしてるし。
「ほら。どうぞ」
バーボンの腕へ、ちらっと視線を向けてから本人に戻す。そして私は口を開き
『……筋ばって固そう……。絶対美味しくないと思うのでいりません』
お断りしておく。私の言葉を聞いた四人。バーボンは相変わらず笑顔のまま固まって、萩原さんからは「そういう問題なの……?」と言われ、松田さんには「いや……まず噛みつくなよ……」と呆れられ、探偵君には「……赤井さんの腕は噛んだりするのに?」と小さい呟きが聞こえた。
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雪丗(プロフ) - こっちゃむさん» そうなんです…安室さんにまで頼ったのに…。しょぼーん…です。癒しをー!頑張ったね!ってわしゃわしゃしてくれる方募集します(笑)ありがとうございます!続編もよろしくお願いします!(*^^*) (2019年6月20日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 夢主さんのふんだりけったりな感じ、いろいろと切ないですね(TT) 安室さんにまで協力要請して頑張ったのに!最終的に赤井さんに怒られるという… 誰か、癒してあげてー!と叫びたくなりました。続編も引き続き応援させて頂きますからね!よろしくお願いします!(^^) (2019年6月20日 19時) (レス) id: d587bb3c17 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 桜ひかりさん» 応援ありがとうございます。頑張らせて頂きます! (2019年6月4日 23時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - 夢主切ないなぁ…更新楽しみにしてます!!ファイトです!!! (2019年6月4日 18時) (レス) id: d8f09a7a12 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» 毎回コメントありがとうございます。励みになっております。更新がのろまですが頑張ります。 (2019年4月24日 0時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2019年4月5日 0時