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『あ。バレました』
「ずっと居たけれどね」
『犯行を目撃されてしまいました。罪を認めます……』
「未遂なので情状酌量を与えましょう」
『ありがとうございます』
しれっと始めた私の遊びに、普通にノってくれる優作さん。優しいわ。
「Aくんも、髪を乾かした方がいいんじゃないかな?風邪引いてしまうよ?」
『そうですね』
『乾かしてきます』と声を掛け、ドライヤーを持って一度リビングを出る。
──髪を乾かし終えてリビングへ戻れば、目を覚ましていた新ちゃん。なので近付いていけばサッ……!と逃げられた。
『え?何故逃げるんですか?』
「…………」
何も言わずにソファの裏に隠れた新ちゃん。なのでもう一度近付く。──サッ……!と今度は優作さんの後ろ。またまた近付けば──サッ……!と有希子さんの後ろ。
「新ちゃん!恥ずかしいのはわかるけど、Aちゃんに悪いでしょ!」
「っ……でも……」
『逃げるなんて……そんなことされたら……』
って顔を伏せて、ふるふると体を震わせる。そうすれば「ね、姉ちゃん……あの……」と申し訳なさそうな新ちゃんの声。
「ごめ『追いかけ回したくなるじゃないですか!』……へ?」
『捕まえてやります!』
私の言葉にぎょっ!と目を見開いた新ちゃんは、脱兎のごとく逃げ出す。それを見れば『待てー』と新ちゃんに続いてリビングから飛び出した。
──数分もすれば、私の腕の中で「はーなーせー!」と暴れまわる新ちゃん。私はもちろん『お断りです』とむぎゅうと抱き締める。
そしてそんな私達の回りにいるのは有希子さんだ。彼女の手元にはカメラがあり、
「きゃー!二人とも戯れあった猫ちゃんみたいで可愛い!目線こっちに頂戴!Aちゃんもフード被って!」
とテンションマックスでパシャパシャとシャッターの音が火を吹いている。もう一つは三脚に固定してビデオ撮影してるし。
そんな様子の有希子さんを見た私はリクエストに答えながら苦笑を漏らし、新ちゃんはジト目を向ける。優作さんは離れたところで、とても微笑ましそうな表情で私達を見守っていた____。
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夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてます最近頑張ってください応援しています (2021年5月1日 19時) (レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - リュウさん» れると思わず、そうくるか!と笑ってしまいました。これに関しては予定外過ぎて、お話が頭に思い浮かびません。ふとした時に浮かぶかもしれませんし、浮かばないかもしれません。現在確約は出来ませんので、出来た際にはラッキー!と思って頂けると助かります^-^; (2019年2月22日 14時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - リュウさん» 一日でここまで読んで頂いたなんて…読むのお早いですね゜-゜「面白い」と思って頂けたなら幸いです。梅ちゃんを「いいキャラ」と言って頂き、自分で作ったキャラを褒められると表情筋が緩くなります。ありがとうございます。まさかの「梅ちゃんとの恋愛関係を」と言わ (2019年2月22日 14時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - 今日作品を発見し面白くて一気に読ませていただきました。赤井さんとの恋愛も気になりますが、分岐で梅ちゃんとの恋愛関係も見てみたいなぁと呼んで思ってしまうほどいいキャラで好きです^_^今後の展開を楽しみにしています! (2019年2月21日 22時) (レス) id: bec6ee4931 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 蘇央さん» そこまで言って頂けるなんて…感動ものです。作者の書きたいものを書いているので、展開が遅く、赤井さんが出てこないのですが…。少しずつ再会へと進んでいくので、御了承下さい。これからも読者様に楽しんで頂ける作品になるよう作りたいと思います。 (2019年1月29日 13時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2019年1月27日 11時