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――巫女一族の里で私が会った男の人。彼は世界を転々と放浪しているらしい。たまたま迷いの森に来ていたところに、私の力を感じ取ったので近付いて来たそうだ。

「そろそろ昼の時間だろう?食べないのか?」
『え……?あ、食べます』

私はごそごそとカバンから、バレッタが用意してくれたお弁当を取り出す。蓋を開ければ、鮮やかな色合いをしたもの。フォークを刺し、一つ一つゆっくりと口に運んでいく。

男の人は私が息抜きにここへ来ると、何処からともなく必ず現れる。そして何だかんだと、私を気に掛けてくれる素振りがあった。

(何故この人は、こんなにも私を気に掛けてくれるのでしょう?)

と、私は男の人に対して不思議な感覚を覚える。今も食事を促し、その邪魔をしないようにと剣の手入れをしているし。

その様子を見ていたら、ふと思い付いたことがあるので聞いてみることにした。

『あの……』
「なんだ?」
『貴方は食べないのですか?』

彼が言ったように今は昼時。私に食事を促すくらいなのだから、彼も同様に食事をしてもいいはず。にも関わらず、そんな素振りが一切ない。

既に何度か会っているけれど、今までも彼が飲食をしているところを見たことがなかった。

「俺は食わなくても問題ない。飲まず食わずでも生きていられるからな」

当たり前のように答えた男の人に、驚きを隠せなかった。そんな私を見た彼は

「ああ。だが、たまに酒は飲んでいた」
『……過去形?』
「ここ最近は御無沙汰だがな……」

フッと笑みを浮かべた男の人の表情は儚げで。でもすぐにそれも消えてしまう。そして「俺のことはいい。食え」って食事へ戻るよう言葉を掛けられる。疑問がなくなった訳ではないけれど、私は食事を再開することにした。

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設定タグ:女主人公 , ファンタジー , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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雪丗(プロフ) - キキさん» こちらにまで来て頂き、ありがとうございます。こちらの小説更新はカメさん以下の速度になるかと思いますが、少しずつ更新していきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。 (2019年1月24日 13時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - チェシャ猫が好きすぎて、こちらにも遊びに来たのですが…こっちもすごく面白いです!トレントの場面、ドキドキしました!どのキャラクターも皆、素敵ですね♪ファンタジーの不思議さやカッコよさがとても伝わってきます。無理なさらない範囲で、がんばってください! (2019年1月23日 22時) (レス) id: cc6696e063 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 雪丗さん» アドバイスありがとうございました!参考になりました! (2018年12月16日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 如月 唯奈さん» アドバイスが出来るかはわかりませんが、小説を読まさせて頂きます。読み終わりましたら、如月様の小説の方へコメント致します。少々お時間下さいませ。 (2018年12月12日 0時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 私もファンタジーのオリジナル小説を書いているのですが、表現が上手くできません……何かアドバイスくださいっ! (2018年12月11日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年11月22日 0時

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