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――首都消滅から二週間。
彼女は朝食を済ませ、お役目を果たそうと心を落ち着かせて居たところで不思議に思う。普段は金属を精製する音が響いている午前中。にも関わらず、その音が聞こえない。

その代わりという感じで、大きな話し声が聞こえた。扉へ近付き開け、顔を覗かせてみる。すると

「うるせぇ!さっさと帰れ!」
「い・や・よ!ここにいるんでしょ!?会うまで帰らない!」

とガランの大声と、バレッタではない女性の大声が聞こえた。ガランの家に客が訪れたらしい。何かあったのか?と首を傾げつつ、部屋から身を出した彼女。そこに現れたのはバレッタだった。

「A、部屋に入っておいで。うるさいのが来てるから……」

ガラン達に聞こえないよう小さな声で、彼女に部屋に戻るよう言葉を出す。だが

「あ!いたーー!!」

その声が家中に響き渡る。ガランは片手で顔を覆い、バレッタは頭を項垂れながら大きなため息を吐いた。彼女はいきなりの大声に吃驚して、その声の主へ視線を向ける。そこに居たのは小さな羽の生えた少女。

ガランはその少女の体を片手で握り、窓の外へぽーい

「きゃあああ!?」
『え"!?』

と放り投げたのだった。だが羽のある小さい少女は放り捨てられても、自力ですぐに戻ってきたのだ。

「何すんのよ!この髭面じじい!!」
「口の悪いチビスケだ……」
「んだとゴラァ!!」

口が悪いのはお互い様なのでは?と内心思う彼女だが、口には出さない。

そして今、可愛らしい姿の少女からは信じられない罵倒が飛ぶ。ガランの髭に掴み掛かり、引っ張りながら喧嘩している。

「いでででっ!?」

それを見た彼女は両手で少女を捕らえた。

「ちょ!?何すんのよー!離せー!!」
『ダメです。乱暴なことをしたり、言葉に出しては……』

彼女は眉を下げながら、少女へ注意を促す。彼女を見上げた少女は、不機嫌そうな顔をしてはいたが彼女の言葉に従う。少女の肯定の言葉を聞いた彼女は、両手を離し少女を解放してやった。

妖精─フェアリー─のアミィ。これが少女の名前。体長は約二〇センチメートル程の小さな生き物。背中に生えた二枚の羽を動かして、自由に宙を飛び回る。

アミィがガランの家を訪れた理由。それは

「貴女!巫女一族の末裔でしょ!?」

彼女─A─が目的だった__。

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設定タグ:女主人公 , ファンタジー , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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雪丗(プロフ) - キキさん» こちらにまで来て頂き、ありがとうございます。こちらの小説更新はカメさん以下の速度になるかと思いますが、少しずつ更新していきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。 (2019年1月24日 13時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - チェシャ猫が好きすぎて、こちらにも遊びに来たのですが…こっちもすごく面白いです!トレントの場面、ドキドキしました!どのキャラクターも皆、素敵ですね♪ファンタジーの不思議さやカッコよさがとても伝わってきます。無理なさらない範囲で、がんばってください! (2019年1月23日 22時) (レス) id: cc6696e063 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 雪丗さん» アドバイスありがとうございました!参考になりました! (2018年12月16日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 如月 唯奈さん» アドバイスが出来るかはわかりませんが、小説を読まさせて頂きます。読み終わりましたら、如月様の小説の方へコメント致します。少々お時間下さいませ。 (2018年12月12日 0時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 私もファンタジーのオリジナル小説を書いているのですが、表現が上手くできません……何かアドバイスくださいっ! (2018年12月11日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年11月22日 0時

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