傷跡 (ページ10)

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岸くんに言われた通り

今日はずっとゆっくりしてた

夕方になって

学校に行ってた子たちが帰ってきた

みんな私がいることに少し驚いてたり

「大丈夫？」って聞いてくれる子もいたり

優しい子たちだなってちょっと嬉しかった

「岸くん、手伝うよ」

キッチンで夜ご飯の準備をしている岸くんにそう声をかけた

「今日は買い忘れない？」

岸「ないない！マジで！命かける！」

「あははっ、岸くんってすぐ命かけるよね」

そんな会話をしながら

岸くんと夜ご飯を作っていると

「ただいま」と海人が帰ってきた

「おかえり、海人」

海「Aもう大丈夫？」

「うん、大丈夫」

海「ならよかった」

海人は安心した顔をして自分の部屋にいった

ちゃんとお礼言わないとな…

岸「A、もうここは大丈夫だからいってこいよ」

「どこに？」

岸「海人にお礼言いたいって思ってんだろ？」

「岸くんって変なところ鋭い」

普段は鈍いことが多いのに

こういう時はすぐ気づいちゃうんだよな

そういうところすごいずるいなって思う

海人の部屋の前

「ふぅ～」と深呼吸をして

ドアをノックした

海「はーい…ってAじゃん。どうしたの？」

「ちょっと話したいことあって…」

海「中入る？」

「ありがとう。お邪魔します」

海人の部屋に入るなんて

小さい頃ぶりだから

少し緊張してしまう

でも入ってみると

あの頃とあんまり変わってなくて

ちょっと嬉しかった

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