傷跡 (ページ14)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:30,120 hit

14 ページ14

.

今日は日直だったから

みんなが帰ったあと日誌を書いている

海人はまた岸くんから買い忘れの連絡が来たみたいで

先に帰ってていいよって言っておいた

廉「おう、A」

「廉、部活は？」

廉「外見てみ」

「えっ、いつの間に…」

廉に言われて外を見ると

いつの間にか雨が降っていた

廉はサッカー部だから

雨が降ったら部活は中止になる

廉「なぁ、傘持っとる？」

「持ってるけど」

廉「お願い！入れてくれへん？」

「はぁ、もうしょうがないな」

「やったー」と言って私の前の席に座ってこっちを見てくる

廉「Aって海人のこといつから好きなん？」

「はぁ！？何言ってんの？」

廉「ふふっ、分かりやすいな」

なんで廉が知ってるの？

海人のこと好きだなんて一言も言ったことないのに

廉「もうバレバレやから。好きなんやろ？海人のこと」

これは言い逃れ出来ないと思って頷いた

廉「どこが好きなん？」

「どこって言われても…」

気づいたら好きだったから

どこを見てとか何かしてもらってとかじゃない

廉「だって海人もそこそこイケメンやけど、俺の方がイケメンやん？」

「そういうこと自分で言う人いないと思うけど」

廉「ええやん。なぁ、早く教えてや」

なんでこんなに聞いてくるんだろう

けど答えないと面倒くさそうだし

「いつも助けてくれるところ」

廉「じゃあ海人はAのヒーローなんや」

「ふふっ、そんな強くはないけど」

廉「なんやねんそれ」

ヒーローって言うほど強くないし

かっこよくもないけど

いてくれなきゃ困る

そんな大切な存在

.