はんぶんこ (ページ34)

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「あー、また髪乾かさずにゲームして…風邪ひくよ？」

廉「じゃあ、Aが乾かしてや」

あれから家に帰った私たちは

ご飯食べてお風呂入って出てきたら

廉が濡れた髪のままソファでゲームをしてた

仕方なくドライヤーを持ってきて

「はい、ここ座って」と前に廉を座らせて

廉の髪を乾かす

シャンプーの香りがほんのりして

しかもその香りが自分と同じだと思うと

少し嬉しい

「はい、終わり」

廉「ん。じゃあ貸して、Aの乾かす」

そう言って私の手からドライヤーを取り

位置を交代して乾かしてくれる

廉の手が気持ちよくて

ふわふわしていると

「よいしょ」と言う声がして

ソファの上にあげられて

後ろから廉に抱きしめられる

廉「A、いい匂い」

「ふふっ、廉と一緒の匂いだよ？」

廉「シャンプーとかは一緒やけど、元の匂いがなんか違うねん」

「何それ」

私の首に顔を埋めてくるから

「くすぐったい」と言って廉の方を見ると

目が合ってどちらからともなくキスをした

どんどん深くなっていき

ソファにゆっくり押し倒される

「んんっ…れん」

廉「いや？」

首を振って「ベッドがいい…」と言うと

「ふふっ、りょーかい」とそのままお姫様抱っこをされた

「ちょっと！」

廉「暴れんな、重いんやから」

こんな状況でもそんなことを言ってくる

「どうせ私はスタイルも良くないし可愛くもないし廉のタイプとは程遠い…」

廉「アホ。誰が可愛くない言うた？」

「えっ…」

廉「確かにスタイルはあれやけど、可愛くないとは一言も言うてへんで？」

そう言って優しくベッドにおろされる

廉「タイプとは違っても俺はAを選んだ。それだけのことや」

「廉…」

優しくて真っ直ぐな目で見つめられる

廉「好きやで、A…」

そんな廉の声とともにベッドに沈んだ

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