オレンジの世界。

こんな俺だけど ページ7

登場人物設定にて愛犬の名前を設定してください



「ちょ、やめろって〜」



飼っている愛犬に顔を舐められる



くすぐったい



やめろ、という割にはこうされるのは嫌いじゃない




「わ、ちょ」


顔の次は左手



「コラッ、(人1)！指輪舐めちゃだめだって




大事なもんだから！





離して」



手をさっと上にあげると



クゥーン…と鳴き、つまらさそう



可哀想だけど、仕方ない




「渉、ご飯できたよ」




手を拭きながらリビングに顔を覗かせる



「今、行く」



結婚して三年目。




もうすっかり家にAがいることが




当たり前になってきた




手を洗って食卓へと向かう




「お、上手そう」




今日は茶碗蒸し、か




俺の好物




しかも、Aがお袋に直接聞いて味も同じ





実家を思い出させる味




「いただきます」


「どーぞ」



俺の合掌に



綺麗に微笑む俺の



奥さん……



生活には慣れたけど、まだ奥さんとか妻って言うのは





慣れない


いただきます、と丁寧に合掌をして




茶碗蒸しを口へと運んだ




「…あ、上手くできてる」




満足げにうんうんと頷く




それを心の中では




微笑ましく思う



でも顔には決して出さない






また再び口に運ぶ








「…………うっ、」



突然顔をしかめ、口を手にあてるA




「…A？！大丈夫か？」



「………ごめ、ちょっとトイレ」



机の上の箸が落ちる




「……ちょ、おい！」


トイレに駆けていったAを



早足で追う

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