オレンジの世界。

彼は吸血鬼…？ ページ18

ハロウィンの夜。

夜遅くにチャイムが鳴る。

誰だろう、こんな時間に…

渉からの連絡はないし。

とびらをあけると

「え、」

『ハッピーハロウィン！』

「えっ、どしたの？」

くるぶしまでの黒いマントを纏って

立っている彼

『びっくりした…？』

「うん…とりあえずはいって」

その姿はあまりに似合いすぎていて

ドキドキする。

「…吸血鬼？」

『うん、驚かせたくって』

赤ワインを持ってきた、という彼。

もう夜遅いから、寝室で飲むことに。

お酒の強いわたるにつられて

お酒弱いのに進んでしまう。

あ、どうしよう…クラクラする。

…

「んっ、」

首筋にチクッとした痛みを感じて

目を覚ます。

「な、なに？」

目の前には月明かりに照らされた

渉の堅い黒髪。

『あ、起きた…？

急に寝ちゃったからびっくりしたよ』

「あ、ごめん…何してたの？」

『ん？胸元見てみ？』

「へ、？」

胸元を見てみると、所々に跡…

「ちょ、何してるの？！」

『…んーいいじゃん？別に誰にも見られないし』

「人が寝てるあいだに…！」

『酔ったのAじゃん？』

なにも言い返せないでいると、

まぁいいから、飲めよって

ワインを注ぐ。

「もう飲まない…寝る」

次は何されるか分かんないし。

ベッドに潜り込もうとすると

『ちょ、怒んなって…な？

せっかくハロウィンなんだし』

ギシ、とベッドの音が鳴る。

ベッドに潜り込もうとした私の前に

立つ、いつもより妖艶な彼に

戸惑ってバタッとベッドに倒れてしまった

「…っ、」

『まだ酔ってんの？』

絶対わざとだ…

嬉しそうに笑うと顎を掴まれてキスされる。

『ねぇ、こうされるの好きでしょ？』

息もままならない私に

問いかける。

されるがままになっていると

突然唇は離れて

ワインに口付ける

そのまま口に移される。

独特した味が広がる

うっすらと目を開けると

上手く口に注がれなかったワインの一筋が

渉の口から垂れる。

それをボーッと見惚れていると

『…見すぎだから』

ってちょっと照れつつ、拭う。

「本当の吸血鬼みたいだね」

『そ？』

「うん…わざと？ワイン…」

『さぁね？

…ね、噛んでみてもいい？』

「え…」

……
ハロウィンということで(笑)

書いてみたくなりました…

絶対似合うと思うんですよね〜

お楽しみいただければ！

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