オレンジの世界。

すれ違い ページ15

「ただいまー」

答えるはずもないけど、癖になってしまった。

ワンッ！

「お、お前らまだ起きてたのか？」

4匹の愛犬たちが待っていてくれたようだ。

「でもしーっ、な？」

人差し指で示すとすぐ静かになる

こいつらやっぱいい子だな

リビングに行くと置き手紙を見つける

『わたお疲れ様。

みんな寝かせようとしたんだけど、

寝てくれなかった…

一応、お風呂の用意しときました

先におやすみなさい

A』

最近仕事も増えてきて

一緒に住んではいるけど

なかなかやり取りできないから

Aが勝手に始めた置き手紙。

LINEじゃないのってなんかいいよな

風呂か…正直今日は疲れたし寝たい。

朝入るか…

愛犬たちを寝かしつけると

寝室に向かう。

寝室にはおっきいベッドと小さいベットがあって

最初の頃は2人で寝てたけど

Aが

『わた起こすの嫌だから』って

小さいベッドを買われてしまった

別にもう1回寝ればいいからいいんだけどなぁ

案の定、小さいベットで寝てる。

明日は俺、昼からか。

ゆっくり寝られるからおっきいベッドで

寝てればいいのに

でも起こすのも嫌だから

仕方なくおっきいベッドにもぐる。

いつから直接喋ってないっけ…

全然デートもしてない…

ふと気になってスケジュールのアプリを開く。

三週間前…？えまって、今週も出来そうにないし。

はぁ1ヶ月か…

なんだか申し訳なくなる。

ドラマ決まって言ったら
(※フィクションです)

『おめでとう〜っ！！』

ってちょっぴりだけ嬉し涙流して

喜んでくれたっけ…

音のしない

動きもしない

寝顔ばっか見てる気がする…

いままで意地張って出来なかったけど



そっと置き手紙を枕元に置いた。


-続-

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