寒い冬の日。2 ページ4
-you side-
(人1)「ありがと、A!」
LINEを交換して嬉しそうに微笑んだ彼の笑顔に勝手に胸がときめいて、身体の中から熱が感じられる。
肌をこする風は冷たいのに、その肌は熱くて。
変な感覚がする。
(人1)「Aさぁ、耳めっちゃ赤い…」
A「ひっ…」
(人1)「あ…ごめん、冷たかったよね」
強めに吹いた風が私の髪を巻き上げて、赤い耳を露わにする。
それできっと驚いて、心配して耳たぶに触れた彼の指。
冷たさに驚いたのもあるけれど…まさか耳に触れられるなんて思ってもいなかった。
寒さと身体の中からの熱のせいで赤くなった耳は、彼の仕業でより赤くする。
『今が冬で良かった…』
無意識に思った。
冬だから、耳が赤くたって不思議じゃないから。
誰だって、人に赤くなってるのは見られたくないでしょ?
少し自分の気持ちに気づいてしまった私は、そう言い訳をする。
(人1)「あ…じゃあな、A!」
A「うん…じゃあね…」
(人1)「LINEするから!」
彼と別れて、急ぎ足で家へと帰る。
彼からの初めてのLINE。別れてから30秒もたたずに来た。
思わずビクッと震えて通知を見る。
『家帰ってからLINE返してな』
これは…家に帰ったら報告してって意味だよね?
心配されてるのかな…って妄想が膨らんでしまう。
ぶんぶんっと頭を振って家へと急ぐ。
A「ただいま〜」
この時間は誰もいない。部屋へと急いで向かい、た暖房をいれて部屋着に着替える。
フーッと深呼吸をして、まだかじかんだ手にイライラしながらもLINEへの返信をする。
「今、帰ったよ」
そしたら…送った瞬間に既読がついて。
画面開きながら、返信待ってたことが分かっちゃって…嬉しくなってまた赤くなる。
(人1)「おかえりw」
A「ただいま(笑)」
その後も、面白いスタンプ送ってきたりして…
気づいたら30分たってた。
その間、送った瞬間に全部既読がついて。
暖房がついているせいで、熱いくらい。
そんな自分を認めたくなくて…
勉強しようと机へと向かう。
LINEの画面は閉じたけど、既読がつかなくなった彼が秒でスタンプ連打してくる。
画面をチラチラ気にしてみるけど、
「(人1)さんがスタンプを送信しました。」
としか表示されなくて。どんなスタンプなんだろうって気になる。
突然、通知がこなくなって。
画面開いてスタンプ返した。
けど、既読つかなくて…不安になってしまう。
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作者名:いくみるく | 作成日時:2014年12月9日 16時