【gnsn】公女様！ (ページ6)

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「皆さん、顔を上げてください。」

深呼吸して、＂公女＂の名に相応しい立ち振舞や口調でこの
緊迫した状況を優しく解(ほぐ)す。

仮面を再び着用し、フードを深く被り直し＂雷蛍術士＂になった私は一つの言い訳を口にした。

「臨時で結成された隊だと聞いて、私も同行する事になりました。何かあれば私が補佐に回ります。ですからどうか、私の事はただの仲間だと思って接して頂きたい。」

「口を挟んで申し訳ありませんが、公女様。臨時の隊は今まで何度として経験して参りました。どうして今になって公女様自ら赴きに…？」

それらしい言い訳を口にするが、今まで幾度となく臨時の隊を組んできたであろう古株の方達は首を傾げる。

納得していない様子の彼らに、私はそれらしい答えを返す。

「優秀だと言われている第八小隊が突如として消息不明になっているのに、「はい、そうですか」で見ている訳にもいかないでしょう？」

第八小隊を心配しているのは本当だ。

いくらタルタリヤの為に来たとは言っても、来たからにはきちんと仕事はこなす。

「し、しかし…」

未だ納得出来ていない面々に、私は出来るだけ使いたくなかった＂アレ＂を使う事にした。

仮面だけを外し、一歩前に出る。

フードの隙間から横髪が一房零れ落ち、ヒールの音がカツン、とこの静かな空間に響いた。

「私は女皇様にその力を認められ、執行官では無いものの＂公女＂の名を与えられた身。他に何か質問が？」

これこそ、職権乱用というものだろう。

もうこれ以上質問するなという意思が伝わった様に深々と再度頭を下げる彼らに心の中で謝罪しながら一番重要な事を伝えた。

「それと、公子にはこの事はくれぐれも内密に。」

横髪を綺麗にフードに隠し仮面を付けそう言い放った。

「「承知致しました。」」

内心、これ以上追及されたらどうしようかと心臓がバクバクしていたのは私だけの秘密。