アズールSIDE ページ8
・・・
「ネイビーですか」
「はい。我ながら、いい色を選べましたよ」
フンスっとふんぞり返っていると、このズル賢い腐れ縁は口元を抑えて笑うんです。
失礼ですよ全く。
このマーメイドドレスに謝って欲しいです。
「あの守銭奴が惜しみなくマドルを使っている光景。非常に可笑しいですね」
「よ、予算内だ」
「予算なんて決めてたんですか? 僕はてっきり))
「ハイハイハイ そー言うジェイドは彼女達の身辺調査、済んでるんですか」
「もちろん。こちらご覧下さい」
彼女らがバイト時に着用している寮服を持ってきたようです。
「監督生さんのサイズはこのままで結構ですが、Aさんのある1部のサイズだけ大きくしなくてはいけないかもしれません」
「つまり?」
「・・・僕に言わせるんですか。知ってるくせに、酷いです シクシク」
嘘泣きは無視しましょう。
やっぱりそうですか。
最近胸元のブラウスを引っ張ってばかりいると思ったら、それが原因だったということですね。
「しかし見た目に遜色ないような気がするのだが・・・」
「アンダーが細すぎるんですよ」
「・・・はぁ・・・」
「これを機に、服の知識を入れてみてはいかがでしょう。メンズだけでなくレディースも含めて」
不自然なくらいニコニコと笑っている。
しかしこの笑顔が、彼の自然な笑顔なのだから妙な説得感がある。
「こちらが繕い直した寮服です。これからAさんの所へ行って ちょうど良い採寸か確認してきます」
「あとは靴だ・・・。フッ そろそろフロイドに打ち明けますか」
「賛成です。プロム開催の告知も公布されましたし、靴はフロイドが選びたがるでしょう」
確か・・・フロイドにモストロラウンジを任せっきりでしたね。
今日はどこの寮も、プロムに向けての話し合いをしているらしいのでシフトを減らしましたがどうやら正解だったようです。
「ジェイド! アズール!」
『や』
「なんだその手に持っているのは」
皆さん楽しく雑談していましたから。
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作者名:スカフィロ | 作成日時:2021年1月7日 17時