セベクSIDE ページ15
・・・
僕は かなり憤っているぞ。
Aという友人が、若様の楽しみを奪ったのだからな。
ついさっき寮に帰ってこられたのだがお部屋に籠ってしまった。
シルバーに理由を尋ねると、同じく元気の無い様子でAが参加しないという事実を話してくれたのだ。
「おい A。プロム不参加とは一体どういうつもりだ」
校内で1番大きな直階段を上る背に声をかけた。
僕の姿に気づくとオレンジ髪の先輩達を先に行かせて下りてくる。
・・・なぜ4段上で止まる。
『よぅ セベク!! またマレウス先輩のことで相談か!!!!』
「いや違う」
『えぇっ!?』
僕が4段上がるとAは また4段上がり、
3段上がると同じ分だけ遠ざかる。
・・・なるほど。
目線を合わせて会話をしたいということか。
『あ、あのセベクが若様以外の話題で話しかけてくるだと?))
距離を詰めさせてもらおう。
そして広い踊り場で、試したいことがあるのだ。
向かい合ってすぐ小さな右手を握る。
そして背中に手を回してみる。
するとAは僕の右肩に手を置いた。
「フン 踊り方は知っているようだな。プロムに出れない理由ではなさそうだ」
『えっと・・・・・・どちらさんですか? 私が知ってるセベクは、若様のことしか考えてないセベクなんですが・・・』
「僕の事を忘れたのか!!!!!!!!」
『・・・はーぁ、ダメだこりゃ』
基本ステップを踏んでみる。
問題無いな・・・寧ろ踊りやすい・・・。
身長差が丁度いいのもあるが、僕を信じて身体を預けてくれるのが1番の要因だ。
「どうやらプロム不参加とダンスの出來は関係無いらしい」
『とーぜん。シュニーレインの名を背負ってっから、教養は一通りあるんだよなー』
では何故僕から楽しみを奪うのだ・・・。
『・・・・・・セベク・・・お前・・・』
「っ///// ニヤニヤした その顔を今すぐやめろ!!!!!///////」
『ダイジョブだって。セベクと踊ってくれるヤツも他に居るよ多分』
「最後の一言多いぞ!!!!!! それに、僕は貴様と・・・っ!!! ・・・〜っ/////」
いつもこうだ。
コイツは僕の調子を乱して話を逸らす。
悔しいので、C組と合同のペアダンス練習の時
嫌という程踊ってやった。
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作者名:スカフィロ | 作成日時:2021年1月7日 17時