Bouquet. 2 ( ar×in shortstory )

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in side .



" 俺っ、伊野ちゃんのこと好きなんだ…！ "


入社してたったの一ヶ月、真っ赤な顔して告白してきた同僚に、一瞬にして心を奪われた。


" 初めて会った時から、伊野ちゃんのこと可愛いなあって思ってて… "


…俺も、ずっと大ちゃんのことかっこいいなって思ってたよ


" なんか、伊野ちゃんとは初めて会った気しないんだよね "


…うん、俺もおんなじこと思ってた


" もしかして俺たち、前世でも一緒にいたのかもね！ "


それって運命じゃない？と無邪気に笑う大ちゃんを見て、なんだか泣きそうになったのを今でも覚えてる。




____大ちゃんと付き合って1年。


俺は、ずっと彼に甘え続けている。


大ちゃんは愛情表現を沢山してくれるのに対して、恋愛経験が浅く自己肯定感の低い俺は、上手くそれに返せなかった。


…驚くことに、

まだ、えっ ちすらできていない。


途中まではしたことがあっても、いつも本番目前になると怖くなってしまい拒んでいた。

その度に｢ごめんね、まだ早かったよね｣と寂しそうに笑う大ちゃんに、胸が苦しくなった。


...でも、そんな優しくて大好きな大ちゃんと一緒にいられるのも、今日で最後____


｢…大ちゃん、


……俺、大ちゃんとえっ ちしたい｣


｢………いい、の……？｣


｢…うん。今まで、ごめんね…っ、｣


言い終わると同時に、勢いよく抱き締められる。


…大ちゃん、震えてる…？


｢伊野ちゃんっ…

…勇気、出してくれて…ありがとうっ…｣


掠れた声で小さく呟く大ちゃんに、目頭が一気に熱くなる。


…長い間待たせて、たくさん傷つけたのに

そんな最低な俺に、"ありがとう"だなんて…


｢…ふ…こっちのセリフだよっ…｣


大ちゃんの好きにしていいよと伝えると、初めて俺のことを好きだと言ってくれた時ように、目の前の恋人の顔は真っ赤に染まった。



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