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と、そんな風に想いが通じ合った恋人同士が、二人の世界を展開するのを、他の柱達は呆然と見ていた。Aの両隣にいた煉獄と甘露寺も、惚れ気にあてられそうで避難している。


甘露寺は顔を真っ赤にして、「素敵な恋を間近で見れるなんて!」と嬉しそうだったが、他の者はここ数分で十年分の疲労を感じた、とばかりに何処か疲れた顔をしている。


「僕知ってる、こういうの『当て馬』って言うんだよね」


一番年少である時透が、的を得たことを言う。それに対してしのぶは、お互いしか見えていない同僚二人に少し呆れた目を向けながらも、時透の言葉のトゲを抜くように援護する。


「まあ、でも。『馬に蹴られ』なかっただけマシということにしておきましょう」


そう笑い、しのぶは皆で食事を取ろうと提案した。何とも言えない疲労が襲ってきていたので、それもいいだろう、とぞろぞろ八人で食事処へ向かった。


それに気がついたAは人前だったことを思い出し、恥ずかしそうに冨岡と距離を取る。


「みんな!どこいくの!?ご飯!?ほら!冨岡さんも!ご飯行きましょうよ!」


勢いだけで押そうとするが、冨岡も一枚岩ではない。どこか拗ねるような声色を出す。

「…義勇だ」

「はい!?」

「恋人なのだから、当たり前だ、A」

「っ!ぎ、義勇、さん!取り敢えず離れ」


再び近づいてきた冨岡を、ときめきながらも遠ざける。近寄ることを阻止する腕など物ともせず、冨岡は距離を詰め、嬉しそうに微かに唇を綻ばせた。


「ようやく呼んでくれたな」

「あああああああ!!ずるい!そんな嬉しそうな顔するなんてずるい!」

「ずるくない」


悪びれもなく無表情でそう言って、冨岡は優しくて甘い接吻を、Aの唇に降らすのであった。









『男性を魅了してしまう血鬼術にかかってしまったわけですが』 完

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もみじ - めちゃめちゃ面白かったです!! (2022年8月1日 19時) (レス) @page30 id: 32f65dbc25 (このIDを非表示/違反報告)
ハッシュタグ(プロフ) - ななしさん» お読みいただきありがとうございます。今でも反応をいただいており、私としてもお気に入りの作品ですので、そう言っていただけて嬉しい限りです。もしまた機会があれば、読んでいただけましたら幸いです。 (2022年4月9日 0時) (レス) id: bcf3124c84 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 面白くて一気読みしました!語彙力が凄くて羨ましいです...!シチュエーションも神でした!これからも応援しています!! (2022年4月2日 17時) (レス) id: 05cc864757 (このIDを非表示/違反報告)
ハッシュタグ(プロフ) - 水城舞梨亜さん» 喜んでいただけて良かったです!リクエスト本当にありがとうございました…! (2020年10月22日 11時) (レス) id: bcf3124c84 (このIDを非表示/違反報告)
水城舞梨亜(プロフ) - いいいい伊黒さんかっこいい!!!です!\(^o^)/伊黒さんは、私の推しなんですが、こんなにかっこよく書いていただけて嬉しいです!!(*´ω`*)後、夢主ちゃんがかわそう…でもなんかすごいです!(語彙力)感情が無いようであって。凄く、本人にあってると思います! (2020年10月22日 8時) (レス) id: 0e4689ecab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハッシュタグ | 作成日時:2019年11月30日 19時

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