28歳 ページ25
一夜明けてからコナンくんは蘭に連れられて帰っていった。私は冷蔵庫に入れたままのティラミスがあったのを思い出す。
「やば、コナンくんと食べれば良かった。」
目の前に出したティラミスは本当に美味しそうで。
皿に移し変えて、一人でぺろりと捕食してしまった。口元のチョコレートをナプキンで拭き取る。糖分を取ったせいか、眠気が私を襲う。
いつのまにか私は眠りに落ちていた。
目が覚めて、時計を見ると眠ってから五分しかたっていなかった。
あれ?
ぐっすり眠っていたはずなのに、
体がすっきりしているのに、
不思議に思いながらベッドから体を起こす。
「なんか..手がむくんでる?」
私の手に違和感を感じた。いつもの大きさより一回り大きく、ゴツゴツした手。
そして、あるはずのものがなく、ないはずのものがある。この違和感。
まさかと思い、私は手鏡を手に取った。
「男...」
そこには見慣れていた男の顔が写っていた。
これは風見先輩に連絡しなくては。
私は慌てて、携帯を手に取る。連絡欄を開いたとき、私の指はぴたりと止まる。
ここから抜け出して、逃げなければ、ジンに始末される。
死が迫ってくる恐怖が襲ってくる。動かない足を引きずって、私は病室を出た。
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作者名:純情調教師 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nomuharu262/
作成日時:2020年6月16日 0時