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26話 ページ26

808号室…808号室…。


気づいたら、頭の中でAの病室を唱えるように口にしていた。



汗が滲む。シャツが肌に張り付いて何とも言えない居心地の悪さを感じる。

でも、そんなもの気にしていられない。



「あった…!」



ようやく病室まで辿り着いた。流石に息を整えたくてAの病室の前で立ちすくんでいた。

ポタポタと汗が垂れる。
走ったからなのか。それともAがどんな状態なのか知るのが怖いからなのか。



でも怖気付いていたって仕方がない。先に進まなくちゃいけない。

僕は震える手で病室の扉の取っ手に手を掛けた。

大丈夫、大丈夫…。


その瞬間。



「…………あら?」



突如、背後から声がした。

恐る恐る振り返るとそこには…。








「……この病室に、何か御用かしら…?」



随分と白髪も増え、しわも増えていたけれど。
間違いない。Aの、Aのお母さんだ…。

三年振りの再会だからか、Aのお母さんは僕が僕だと気づいていない様子だった。



「えっと…覚えて、いませんか…?
無一郎です。時透無一郎。幼馴染の…。」

「……無一郎、君?無一郎君なの!?」



Aのお母さんは驚いたような、どこか気まずそうな表情をしていた。手に持っていたペットボトルが凹んでしまっている。



「そうです。無一郎です。Aとは同じ大学だったんです。」

「あら…そうだったのね…。久しぶりね…。元気だった?」

「はい…。」



立ち話もなんだから、とAのお母さんは僕を部屋の中に招き入れてくれた。

やっと、やっとAに会える。

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白霞(プロフ) - いちごアメさん» 応援のお言葉ありがとうございます。面白いとも言って頂けて嬉しい限りですございます。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月19日 17時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
いちごアメ - とっても面白いです!!これからも頑張ってください (2020年8月18日 21時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - つぶやき星のつぶやき女さん» そんな風に言って頂けて光栄の極みでございます!素晴らしい作品だなんて畏れ多い…!最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月18日 12時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
つぶやき星のつぶやき女 - す、素晴らしい!泣きました。とても面白い、悲しい?ような気がして面白かったです。(伝わらないような気がする。語彙力無くて、すいません!)とにかく素晴らしい作品でした。お疲れ様でした。 (2020年8月17日 21時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - くれーぷさん» そのように言って頂けて嬉しい限りです!こちらこそ閲覧ありがとうございました! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月26日 0時

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