オレさまキバナさま。 - I cherish you. - (ページ13)

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Cherish you. -13- ページ13

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『あれ、痛くない……ん!? 』

こちらに気づいた彼女も

驚きを隠せずにはいられなかった。

お互い目を合わせたまま

思わず固まってしまう。

「！！」

『あぁごめんごめん! 苦しかったね! 』

その沈黙を破ったのは

彼女のパーカーの下から出てきたホシガリス。

すぐ治るから!

暴れるホシガリスを宥(なだ)めるように

大丈夫大丈夫、と優しく声をかける。

ひょいっと自分の上から退(ど)いた

彼女はカバンの中からキズぐすりを取り出して

慣れた手つきでホシガリスを手当てする。

『はい、もう大丈夫だよ! 』

終わった瞬間

すぐさま手元から離れまた木に登っていった。

木を見上げた彼女の横顔が

夢を話してくれたあのときと重なった。

『えっと……、んん!? 』

こちら振り向いた彼女が驚くのも無理もない。

だって自分が頬(ほほ)を抓(つね)って

夢か現実かを確かめているんだから

それはもちろん――――

「……ひふぁい(いたい)。」

『え痛い!? どこが痛いの!? 』

自分が頬(ほほ)を抓(つね)っていることよりも

先程受け止めた際にしりもちをついたことを

心配している。

『ごめん私重かったよね! 』

あ～泣かないで～!!

と、怪我をしていないか

ペタペタと自分の体に彼女の手が走る。

「重くねェし! 泣いてもねェから!! 」

忙(せわ)しなく動く手を掴(つか)み

落ち着け!! と。

漸(ようや)くこちらを向いた

ｸｽｯと花のような柔らかい笑みを浮かべた彼女に

思わず自分も釣られてしまった。

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