隠の桐島さん 第二幕【鬼滅の刃】

待っていますよ、いつまでも ページ9

「あ、こんにちはAさん
今日もお見舞いですか？」




『はい！それと炎柱様のお見舞いに』




「そうですか...では、私はこれで
ごゆっくりどうぞ」




そう言い残しアオイさんは仕事に戻っていった



真面目だなぁ...



きっとそれが彼女の長所なんだろうけど
あんまり無理してないといいけど







少し歩いた先にある病室の扉を開くと
窓からスゥっと心地よい風が流れた...







『今日はいい天気ですね、炎柱様』





返事はない...



規則正しい寝息をたてたまま彼は寝台に身を預けていた








あれから三ヶ月
未だに炎柱様は目覚めていない


他の柱の方達も見舞いに蝶屋敷に訪れたが
当のご本人は目覚めぬまま

長い月日が経過していった




『任務先で綺麗なお花を見つけたんです
ここに飾っておきますね』




棚に置かれた花瓶にそっと花を添える


紫色の花弁が落ち着いた色の花瓶によく映えた






『また...来ますね』




「.......」








ほんの少しだけありもしない返事を期待をしたが



当然そんなものはなく




一人寂しく病室を後にする









『そういえば、あの花の名前...なんだったかな』









物静かな廊下に空っぽな声が響いた







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アネモネ (紫)






【あなたを信じて待つ】

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